第258話 停滞
鄴を取った曹操軍は新たな目標に向かい動き出そうとするのだが、新たに軍事行動に移す前に問題が起きていた。
「曹操様、高幹を討つには些か準備不足と思われます。」
作戦を検討していた郭嘉が曹操に報告してきていた。
「準備不足か・・・」
「はい、何度かの敗戦の為に大きく兵を損なっております、それに山間部にあたる并州は守るに有利であり、高幹は匈奴と通じ騎兵が強く、我等もしかと準備する必要があります。」
「お主が言うなら仕方ない、夏侯淵とよく話し合い準備を致せ。」
「はっ!」
郭嘉は曹操に報告したあと、夏侯淵の元に向かい兵の徴兵と訓練に当たるのであった。
「という事だ。
陳宮、暫くは動けん。」
俺は曹操に呼び出され高幹攻めが停滞することを聞く。
「まあ、そうだな。
流石に敗戦が続いていたからな、兵の消耗もあるか。」
曹操軍程ではないが俺の軍も多少なり消耗している、無理に戦をするよりは一度兵を休め新たに仕切り直す方がいいだろう。
「そこでだ、俺達が回復するのはいいが、相手が回復するのを待つ必要はないだろ?」
「まあな、一応袁尚には高幹との離間の計を仕掛けているが、さてどうなっているか・・・」
俺が言うと曹操が固まっている。
「曹操?」
「なんでお前が先に仕掛けているんだ!」
「いや、司馬懿がやらせてくれと言ってきてたからな、悪く無いと思い許可を出したが不味かったか?」
「いや、不味くない、俺も仕掛けようと思っていたが・・・」
「それと幽州の公孫度と烏桓族の冒頓に使者を出しこちらにつくように交渉している所だ、冒頓は娘からの手紙もつけているからな、上手く袁尚から引き剥がせば袁尚攻めが楽になるな。」
「・・・準備万端じゃないか。」
「戦は始める前の準備が大事だからな。
とはいえ、俺も本隊が消耗していることと、食料がかなり減っている。
一度兵を休めることは賛成だな。」
「ふむ、となるとお前は暇だということだな。」
「隙じゃないな、兵を休めるとは言ったが軍の再編や、内政もしなくてはいけないし・・・」
「こちらの軍の再編を手伝え。」
「話を聞いてたか?」
「曹彰、直属の軍を編成したい、お前が見込んだ若者達で構成してくれて構わない頼まれてくれないか?」
「曹彰の軍か、確かに直属の軍を持っても良いかもしれないな。」
「だろ?今後戦は多方面になる、その際動ける軍は多い方がいい。」
「他ならない曹彰の為だ、人肌脱ぐか・・・
将は俺が選んでいいのか?」
「お前の好みで構わない、曹彰もお前の言葉なら従うだろ。」
「わかった、なら軍を見て回る許可をくれ、使えそうな若者を抜粋してくる。」
「おう、好きに見てくれ。」
俺は曹操軍を視察に向かうのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます