第257話 曹清到着

曹憲と知り合い幾日か経つ、戦後処理も終えていく中、曹清がやって来る。

「陳宮様!大丈夫ですか!」

何故か慌てるように部屋に飛び込んでくる。

「曹清、どうしたのです?

もう少しで帰る所でしたが?」

「いえ、陳宮様の身が危ないと聞き、急ぎ参りました。」

「私の身が?特に危険はありませんが?」

曹清が言う危険がわからない。


「陳宮様、お話を聞かせてください。」

曹清と話す中、曹憲が部屋を訪ねてきて、そのまま膝の上に座る。

「あーーーー!!曹憲何をしているのです。」

その様子を見て曹清は悲鳴をあげる。

「お姉様、いたのですか?

曹憲は陳宮様にお話を聞くのです。」

「お話を聞くならお膝に乗る必要は無いでしょ、ほらこっちに座りなさい。」

「陳宮様のお膝は気持ちいいのです。

曹憲はここにいます。」

曹憲は俺の胸元に頬を擦り寄せる。

年頃の娘がやると色っぽいのだろうがまだ幼い曹憲がやると微笑ましい物があった。


「曹憲、そのような真似は淑女として駄目な行為ですよ、男性とは適切な距離を取らないと大変な事になるのです。

ほら離れなさい。」

「適切な距離?

大丈夫ですよ、陳宮様とはこの距離が適切な距離です。」

「!!」


・・・なんだろう、曹清と曹憲の間に火花が飛んだ気がする。


「曹憲、少しオハナシがあります。

来なさい。」

曹清の言葉にトゲがある。

「そうですね、お姉様とは少しオハナシする必要がありますね。

陳宮様、少しお膝から失礼致します。」

曹憲も立ち上がる。

「曹憲、陳宮様のお膝は貴女の物では無いのですよ。」

「お姉様の者でも無いのです。」

「ふ、ふーん、そんな事を言うようになったのね、わかりました、じっくり話し合う必要がありそうです。」

曹清は曹憲を連れて部屋から出ていく。


「夏侯敬、何があったんだ?」

曹清の侍女として一緒に来ていた夏侯敬にたずねる。

「陳宮様、これは乙女の話になりますのでお気になさらず。

しかし、曹憲様も大人になったのですね。」

夏侯敬は曹憲が乙女として成長している事を感じていた。

「曹憲様はまだまだ子供だろ?」

「陳宮様は鈍感なままですね。

・・・さて、そんな鈍感な方には罰が必要だと思いますね。」

「だから俺は鈍感じゃないし・・・ってなんで夏侯敬は近づいてくるの?」

「ふふ、しばらく放置された女性は積極的にもなるのです。

陳宮様は天井のシミでも数えていてください。」

「ま、まちなさい、まだ日が明るい、そういう事は夜に・・・」

「まてません♡」

俺は飢えた獣の前では無力であった・・・

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