第251話 曹操と・・・

「曹操何をしている!」

俺は徐州に攻め込んでいる曹操のもとに急ぎ向かい曹操自身に問いただす。

「ちっ、早くも戻ってきたか。」

「曹操答えろ!何故、住民を犠牲にする!」

「・・・お前は父親を殺された怒りがわからないのか、こいつらのせいで親父は!」

曹操は怒りのあまり剣を抜き、近くにあった机を斬る。

「曹操!曹嵩様を殺され怒るのはわかる、だが住民まで殺してどうする!

お前が目指す所は復讐するだけの殺戮者なのか!」

「陳宮!お前といえど許さんぞ。」

「斬りたければ斬れ!

俺は虐殺するだけの殺戮者の゙手助けをするつもりは無い。

おい、伝令を走らせろ、戦は終わりだ、撤退する。」

「陳宮勝手な真似をするな!」

「黙れ曹操!伝令何をしている、さっさと行ってこの暴挙を止めろ!

責任は全て俺が取る。」

「陳宮!」

曹操は怒りのあまり俺の背中を斬る。

「ぐっ!何をしているさっさと行け!」

俺は伝令に再度命令を降す。

「ち、陳宮、すまない、斬るつもりは無かった・・・」

曹操は怒りのあまり俺を斬ったがその事で少し頭が冷えたようだ、その様子から動揺が見られた。

「曹操!申し訳無いと思うなら戦を止めろ!このバカタレが!」

俺は曹操を殴りつける。

「お前が殺戮者になる事を曹嵩様が望むと思うか!

曹嵩様が自分を理由に殺戮が行われて喜ぶ御方か!よく考えろ!

伝令、早く行かないか!さもなくば俺がお前を斬る。」

俺の剣幕と曹操の様子に伝令が走り始める。


「まったく、世話がやける・・・」

「おい、陳宮?陳宮!!」

俺はそのまま意識を失うのであった。


次に目を冷ましたのは当時本拠地としていた濮陽であった。

「ここは・・・」

「濮陽ですよ、陳宮さま。」

俺の隣に少女が座っていた。

「えっ、あっ、曹清様ですか?」

「はい、曹清です、陳宮さまお体の具合はどうでしょう?」

「身体・・・・いっ、だ、大丈夫です。」

意識をすると痛みを感じるが少女である曹清に心配をかける必要も無い、俺は大丈夫と答える。

「嘘です、痛そうにしております、ど、どうしましょう!」

曹清は痛そうにする陳宮にどうすればいいか右往左往する。

「曹清様、このような時は医者を呼べばいいのです、私が既に呼び出しましたのでお心を落ち着けてください。」

侍女、翠嵐が曹清に伝える。

「・・・私は何も出来ないのですね。」

「曹清様はお心をお使いになるだけでも充分にございます。

さあ、陳宮様の治療が行われるので曹清様はお部屋にお戻りになりましょう。」

「で、でも・・・」

曹清は心配そうにこちらを見ている。

「曹清様、お部屋にお戻りください。」

俺は曹清に部屋に戻るように伝える。

背中を斬られている以上、服を脱ぐ必要があるだろう、少女とはいえ、淑女に男の裸を見せる訳にもいかない。

「・・・わかりました。」

曹清は自身の無力を感じ、部屋から出ていく。

この日が曹清が医術について学んでいく事になる切っ掛けになるのであった。


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