第248話 192年
「曹操、降った黄巾党達を再編して、余った者達を開拓に回す、今年、いや二、三年耐えれば収穫も安定する予定だ。」
俺は荀彧と話し合い、降った黄巾党およそ100万の民の割振りを決め、曹操に話を持ってきていた。
「やはり、厳しいな。」
曹操が懸念するのは開拓に成功したとして、収穫に現れるのは二、三年はかかる、その間の食料について頭を悩ませる。
「こればかりはな、他の地域から購入するように手筈を整えているが中々厳しい物がある。」
俺は周辺の商人を通して食料を集めていたのだが100万の人を食わすのは容易では無い、集めた先から無くなっていくという結果になっていた。
「引き続き、頼む。」
曹操も頭を悩ませる問題であり、曹操自身も書状を書き、友好勢力から支援要請をしていた。
そんな中、俺は黄巾党の中でも武勇に優れた者達を集めて精鋭部隊にすべく練度を上げていた。
「陳宮軍師、精が出ますね。」
精鋭隊を作るにあたり、曹操の息子である曹昂が協力してくれ、代表となってくれていた。
「曹昂様、まだまだです。
彼ら個人の武勇は優れていますが集団戦術が出来ていない、ですが彼等が集団戦術を身につければ敵はいないでしょう。」
「陳宮は厳しいな。
既に充分なチカラが身についているように見えるがな?
そうだろ?黄沢。」
曹昂は黄巾党の中から選んだ副官、黄沢に声をかける。
「陳宮は厳しい、若様からしっかり文句を言ってください。」
「だそうだ、陳宮。」
「ほう、なら厳しい俺は、今夜の酒を無しにしてやろう。」
「鬼!この鬼軍師!酒無しなんて知れたら俺が仲間にやられてしまうじゃないな!」
「お前の失言だからな、責任を取るといい。」
「すんません!調子にのりました!」
「わかればいい、くく・・」
「わはは・・・」
俺達は冗談だとわかって話していた。
それほど打ち解ける事が出来ていた。
「陳宮、近々徐州から家族がこっちに来ることになっているんだ。」
「曹嵩様達を呼ぶのか?」
「ああ、父上が話してくれたよ。」
「確かに曹操は一勢力になったからな、ここらで呼んでおかないと人質にされかねないか。」
「父上とてお祖父様に会いたいだけだと思う、それに俺も曹清に会いたいからね。」
「曹清様ですか、もう大きくなっているんでしょうね。」
曹操に娘が産まれた事は聞いていたが、戦地で戦っている俺が会うことは無かった。
「陳宮にも会わせるさ、美人だから期待してくれ。」
「美人ですか、それは私とは縁が無さそうですね。」
「あはは、俺の妹だ、見た目で人を選ぶ訳が無いだろ。」
「それはいい、それならば悲しい独身者に嫁いでくれるかもしれませんな。」
「くく、期待するがいい。」
俺と曹昂は有り得ない未来について笑い話をしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます