第244話 縁切り
「はぁ?陳宮が会わないってどういう事よ!」
話し合いの結果を聞いた呂希は伝えに来た張遼に怒りをぶつける。
「言葉の通りだ。皇帝陛下の御名前で離縁した者と会う訳にはいかない。」
「なによ、皇帝、皇帝って!私は呂布の娘よ!あんた達の主家の娘なのよ!もっと敬いなさい!」
「主家と言うが、既に滅びた後だ、不必要に貶めるつもりは無いがいつまでも自分を上だと勘違いするな。」
「な、なによ!あんただってお父様に見出されて将になれたのでしょ!その恩も忘れたっていうの!」
張遼の威圧に押されながらも呂希は張遼を責め、自身の優位を保とうとする。
「俺が呂布様に見出された?
違うな、あの方は将を必要としていなかった、己の武勇を頼りに全員ついてこいといった方はだからな。
俺を、いや俺達を将として見出したのは陳宮だ。」
「えっ?お父様が将に任じたのでしよ?」
「確かに任命したのは呂布様に違いないが、将の必要性を説き、俺を選んだのは陳宮だ。」
「なによそれ!私は知らないわ!」
「そうだろうな、お前は俺達を見下し話そうともしなかったからな。
まあ、そんな事はどうでもいい、お前には陳宮から千金が与えられる、その金を持って何処へでも失せろ。」
「な、なによ、結局私を養うってことじゃない、そうよ、陳宮が私を見捨てれる訳が無いのよ。」
呂希は金が渡されることに安堵していた、金さえあれば陳宮の妻になる必要など無い。
「それが手切れ金だ、金輪際陳宮に近づくな、次は陳宮に伝える前に俺達がお前を始末する。」
「ちょ、ちょっと!千金なんて使えばすぐに無くなるわ!無くなればどうしたらいいのよ。」
「知るか、千金を渡すだけでもありがたいと思え、それとも今此処で始末しても構わないぞ。」
張遼の手が剣に向う。
「わかった、わかったわ!千金でいいから、さっさと渡しなさい。」
張遼が合図を出すと千金を持った兵士がやってくる。
「この女を家まで連れて行け。」
張遼はあらかじめ用意した空家まで呂希を連れて行くように命令をくだす。
「これで縁が切れればいいのだかな。」
張遼は呂希がおとなしくしてくれることを願うのであった。
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