第219話 袁家の御家騒動
高幹から逃げ延びる事が出来た袁尚と袁煕はそれぞれ違う城に逃げ込んだ、袁尚は南皮に入り、袁煕は元々の居城薊に入りそれぞれ防衛の為に兵を集めだす。
「私が父袁紹の正当な後継者である、袁紹に恩ある者は我が下に集まるが良い。」
袁尚は袁煕が後継者と名乗らない事をいいことに自身が後継者と名乗りだしていたのだった。
そのおかげか高幹に捕まらなかった者達の多くは袁尚の下に集まり始めていた。
一方、袁煕は自らの婚姻を早め、烏桓族から姫を娶り、烏桓族を軍の主戦力として迎える事で戦力強化に努めていた。
だがこの行動を袁尚はよく思っていなかった、何度も自分の傘下に入るように使者を出しているのだが、一向に承諾しない、挙げ句幽州との境を国境と定め、睨みを効かせる状態となる。
高幹を含めて三者で睨み合う不毛な状況へと足を踏み入れていくのであった・・・
「呂希、陳宮はそなたの昔の家臣であろう、こちらの陣営に付き袁尚を攻撃するようにできぬか?」
高幹は呂希に提案を持ちかける、現実袁尚、袁煕ともにチカラを増している、政権を簒奪したばかりの不安定な状態では袁尚、袁煕の二人を相手にするのは分が悪かった、その為に状況打開の為に藁をつかむ気持ちで呂希に提案したのだった。
「何よ、あんな男のチカラを借りないといけないわけ?」
「使える物は何でも使うさ、何せ天下を取るのだからな、無駄な時間を省かねば年老いてしまうだろ?」
「それもそうね、まあ私から手紙を出せば、有難がって言う事を聞くでしょう、何せ私は呂布の娘ですからね。」
呂希は堂々と答える。
「それは頼もしいな、悪いが手紙を書いてくれないか?」
「いいわ、南皮を攻めさせたらいいんでしょ?」
「そうだな、今はそれでいい。
だがゆくゆくは傘下に入るように伝えてもらいたいな。」
「そんなの簡単よ。
というかもう家臣みたいなものでしょ?」
「そうだな、お前の家臣なら俺の家臣ということか。」
「そうよ、それより袁紹の財宝がみたいわ、この城に貯め込んでいるんでしょ?」
「ならば、俺が案内しよう、好きな物を持って行っても構わないぞ。
何せ全て俺の物になったのだからな。」
高幹はこの世の春を謳歌していたのであった。
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