第201話 準備

「結婚式ですか・・・私が行っていいのでしょうか?」

「曹清様、噂があったからこそ行うべきではありませぬか?」

「ですが、陳宮様が悪く言われるのではないのでしょうか・・・」

「私の事など、気になさらず。

それに曹清様が幸せそうな表情を見せる事が噂を払拭する一歩になるのでは?」

「陳宮さま、私の為に・・・

わかりました、結婚式を行いましょう。

しかし、滞在中に出来るのでしょうか?

準備など何もして織りませんが・・・」

「そのあたりは曹操が準備しているだろう、まあ明日にでも聞きに行こうか。」


翌日俺は曹清を連れて曹操に会いに来ていた。

「曹操、結婚式をやろうと思うが準備は出来ているんだろうな?」

「当然だ、娘の結婚式だから盛大にやるぞ。」

「そこまでじゃなくてもいいが・・・」

「いいや、任せておけ。」

俺や曹清より曹操が乗り気なのであった・・・


「聞いたか、曹清様と陳宮様の結婚式を行うそうだ。」

「この前の戦の戦功が決定的になったな。」

「ああ、夏侯充様達は捕虜になる失態だからな、さすがに意見を言えないのだろう。」

兵士達の方が冷静に陳宮達を見ていたのだが・・・


「曹清様が結婚式だと!そんなの許せるわけがないだろ!」

曹休は激怒していた、曹清が自らの意志とは関係無く嫁がされただけでなく、結婚式という形で公開されるという辱めを受けようとしているのだ。


だが現在曹清を救おうとしていた仲間達は・・・


夏侯充は程育と結婚、曹真は近衛から外され謹慎中、夏侯徳は捕虜から帰国後は陳宮を悪く言うことを控え自分達と距離を取っている。


既に瓦解していたのだ。


「何とかしなくてはならない・・・

うん?夏侯充が結婚するということは、私が曹清様のお相手をすれば良いのではないか、曹清様も夏侯充が女を作った事に心を痛めているであろう。

ならば、私が癒やして差し上げる事も大事な事ではないのか・・・」

曹休は曹清の姿を思い浮かべる、清楚な曹清が自分を求めて縋りついてくる・・・

曹休の口の端にヨダレが出ている事を知るものはいなかった・・・

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