第202話 張遼、結婚式を知る

「陳宮が結婚式をあげるだと!

あいつは何を考えている。」

臨淄において全てを差配している張遼は頭を抱える。

「成廉今すぐ千を率いて許昌に向え、あの馬鹿の護衛だ。」

「馬鹿の護衛だな、わかった!」

「ついでに何発か殴ってこい。」

「わかった、何発かでいいのか?」

「それは好きにしろ。」


「お待ち下さい、陳宮様が結婚式をあげるなら私達も参りたいと思います。」

話を聞きつけ大喬、小喬が一緒に行きたいと言い出す。

「わかった、成廉連れて行ってやれ、文官を連れて来ず遊んでいる奴には丁度いい。」

張遼は陳宮への援軍として一軍を用意し派遣するのであった・・・


「くしゅん!

誰か噂をしているのかな?」

「陳宮さま、身体を冷やしてしまったのではないてしょうか?

すぐに羽織る物をお持ち致します。」

近くにいた夏侯敬が慌てるように言ってくる。

「夏侯敬、羽織る物はいらないかな、それほど寒くないし・・・」

「それならば・・・」

夏侯敬は顔を赤らめるながら後ろから抱きついてくる。

「夏侯敬、何をしてるのかな?」

「私が陳宮さまの羽織る者になれとの事ですね。」

「言ってない!言ってないから!」

「それではこれからイッテもらいますね。」

「違う!それなにか違う!」

「大丈夫です、すぐに暖かくなります。」

夏侯敬は恥ずかしそうに言っているのだが、先日と違い動きがぎこちない。


「夏侯敬、もしかして恥ずかしがってる?」

「・・・はい、先日はその覚悟を決めてましたし、おクスリの影響もありましたから・・・

でも、頑張ります。」

「頑張らなくていいから!まだお日様も明るいからね。」

「お日様には目をつぶってもらいます!」

「つぶってくれないから!」


「二人とも何をしているのかな?」

曹清の笑顔が引きつっている。

「曹清様、これはちが・・・」

「曹清様、陳宮さまが寒いようでしたので暖めて差し上げようとしていた所にございます。」

「それでその手は・・・」

曹清は俺の服の中に入れている夏侯敬の手を見つめている、その手は上下に動いていた・・・


「男の方を温める方法の一つかと・・・」

「夏侯敬、恥ずかしいなら止めておきなさい。

さあ陳宮さまこちらに私が暖めて差し上げます。」

「ち、ちがう、別に寒い訳では・・・」

「曹清様、ズルいです、私が先でしたのに・・・」

「恥ずかしがっているのが悪いのです、陳宮様に尽くしたいなら、もっと陳宮様にしていただいたら良いのです。

さあ夏侯敬も参りましょう。」

「はい♪」

「いや、だから・・・」

「いきましょう陳宮様。3人であたため合いましょう・・・」

曹清に導かれるまま、その日は終わるのであった・・・

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