第182話 朴念仁

張遼の差配でどんどんと側室の話が纏まっていく。

「張遼、待てって流石にやりすぎだ。」

俺は張遼を止めようとする。

「陳宮何を言ってる、睡眠不足だったとはいえ、年頃の女性を寝所に連れ込んでおいて責任を取らないつもりか?」

「えっ!いや、言われてみれば・・・」

「お前が曹清様を選んだのは構わない、だが責任を取らないというのは筋が通らない話だ、二人が受け入れているのだからお前も覚悟を決めろ。」

俺は張遼に反論出来ないでいた、たしかに自分が寝るために大喬小喬の二人を利用していた、彼女達の事を考えるなら断るべきであったのだ。


「難しく考えるな、お前が全員幸せにしてやれば良いだけの話だ。」

「わかった、ただし、二人を無理矢理婚姻するような真似はしないし、望まない行為はしないからな。」

「望めば行為をするのだな、よし言質はとったぞ。」

何故だろう、仲間のはずの張遼に逃げ道を塞がれて行く気がしていた。


その日の夜、大喬小喬が二人してやってくる。

「二人とも婚姻なんて良かったのかい?

今ならまだ張遼を止めれるはずだ。

無理にやらされているなら俺が止めてみせるから。」

「陳宮様は何もわかっていませんね・・・」

「そうですね、お姉様。」


「二人ともどうした?」


「女心をわからない殿方にはお仕置きが必要だと思いますの。」

「え、えーとそれはどういう事かな・・・」

「陳宮様、ごめんなさい。」

小喬は俺を逃さないように後ろから抱きついてくる。

「小喬なにを!」

「いいんです、少し天井のシミを数えていてください。」

大喬の手が怪しく俺の頬を撫でる。


「お姉様、次は私ですからね。」

「わかってます小喬、ですがまずは私から・・・

陳宮様、私の初めてどうかお召し上がりくださいませ。」

「大喬、待った!それはこんな形で失っていいものじゃないだろ!」

「問答無用です。

朴念仁の陳宮様が悪いのですからね、それに身体は正直ですね。」

「いや、これは・・・」

「ふふ、準備もできましたし・・・

では、いただきます。」


「食べる側がちがっ・・・あっ!」


この日、二人の女性が大人の階段を登る事になるのであった・・・

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