第166話 戦に挑む
「高順お疲れさま。」
「気の抜けた事を言うな、戦はこれからではないか。」
「まあ、相手は7万、まともにぶつかればしんどいかな?」
「よく言う、あんな烏合の衆、鎧袖一触で蹴散らせるだろう。」
「そりゃ、張遼と陸遜があいつらに恐怖を植え付けたからな、すぐには回復出来ないだろう。」
「恐怖?たしかに士気が上がっていないのは気付いていたが、何かしたのか?」
「悪魔のような火計と鬼のような追撃かな。」
「ふむ、陸遜は見た目のような優男では無いと言う事だな。」
「ああ、間違い無い、あれは俺以上の軍師になれる。」
「それは見てみたかったが・・・
一先ずは目の前の奴らを片付けようか。
何か策はあるか?」
「遼来々と叫びながら突撃する事と罠がある、足元から火がでると言いながら油入りの壷を投げつつ火を適当につけてくれ。」
「なんだそれは?」
「袁紹軍の奴らはきっと逃げ出す魔法の言葉だ。」
「まあいい、あの程度の士気の相手なら小細工無しでも充分に叩けるからな。」
「ちゃんと言わせろよ、被害を減らすためだからな。」
高順は軽く手を上げ、陣に戻っていく。
「さてやりますか、高順は袁尚軍と戦うから俺達は袁譚を仕留めよう、張遼はこの前暴れたから今回先陣は趙雲に任せたいと思う、できるか?」
「お任せあれ、陳宮軍に趙雲有りと言われる程に活躍してまいりましょう。」
「頼もしいな、周倉、甘寧は趙雲に続いてくれ。」
「了解。」
「任せろ」
「張遼、曹彰は本陣で俺と一緒に後詰めになってもらう。」
「先生、僕は戦いたいです!」
「ダメです、手柄を立てる機会を渡す事も大事な事だからね。
曹彰くんは既に高覧という名高い武将を、討ち取ったよね?」
「うう・・・」
曹彰はもっと戦いたいという気持ちが強く不満そうに口を尖らせるものの、納得出てきているのだろう、それ以上騒ぐ事は無かった。
「さて成廉、魏越は騎兵千を率いて、戦場を迂回しつつ後方に回ってくれ。
できることなら敗走する袁譚、袁尚を捕まえて欲しい。」
「勝つ事が決定しているようだな・・・・まあ任せておけ。」
「見つけれるかは運になる気がするが、やってみるさ。」
成廉、魏越は軽く引き受ける、この二人で見つけれないようなら相手の逃げ足を褒めるべきだろうと考えていた。
「さあ、もうひと踏ん張り、頑張りますか。」
「もう少し士気の上がる言い方をしろよな、まったく。」
張遼のため息混じりの言葉に笑いが起きる、陳宮軍の良さはこの明るさでもあった、通常に無い笑いで緊張感がほぐれ、親近感が増す事で陳宮の為ならと実力以上に頑張る姿が多く見られる。
軍特有の堅さが無いがゆえに自由な戦を可能とするのであった。
「言ったな張遼、全員よく聞け、張遼に仕事を与えるな!
俺は張遼が暇を持て余して泣きつく姿を見たい!みんなの奮闘に期待する!」
「てめぇ!!」
「お任せあれ、この趙雲、張遼殿の分まで活躍いたそう。」
「へっ、元々働かしてやる気なんてねえよ、指を咥えて見てな。」
甘寧は身体をほぐしやる気に満ちている。
「おいおい、程々にだな、安全第一だ、大丈夫。
危なくなれば俺が前線に立つからな。」
張遼も気合が入り過ぎているみんなをなだめようとするが・・・
「行くぞ!今回は張遼の出番は無しだ!!」
「「おう!!」」
「陳宮おぼえてろよ!」
張遼の悲しい声と共に突撃が開始されるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます