第89話 枯れ果てた
翌日、俺は枯れ果てていた・・・
その反面、曹清の肌はいつにも増してツヤツヤしていた。
「陳宮さま、朝ですよ♡」
「・・・もう、朝ですか。」
「いいえ、違いました、まだ夜ですので、もう少し・・・」
隣で寝ていた曹清が一糸まとわぬ姿で俺に覆いかぶさって来る。
「ま、待ってください、ほら日が出てます!朝が来ています!」
「お日様も今日は許してくれますよ、さあもう一度・・・」
「あの〜姉上、起きていらっしゃいますか?」
一戦交えようとする曹清が事を起こす前に曹彰の声が届く。
「曹彰、今は取込み中です、2時間程してから来てください。」
「ま、まった!曹彰様少しお待ちを、曹清様さあ身支度をしてください。」
俺は曹清を身体から離し、身支度を整える。
「陳宮さまのいけずですぅ・・・」
曹清は頬を膨らましながらも身支度を整えていた。
身支度を整えた俺と曹清は隣の部屋で曹彰に会う。
「あ、姉上申し訳ありません、まだお早かったのですね。」
「曹彰、何のことかしら?でも、オヤツは無いものと思ってくださいね。」
「まあまあ、曹清。昨日は曹彰様のお陰で助かったんだ、ここは感謝すべきだろ。」
「そうですね、曹彰よく陳宮様を呼んでくださいました。」
「はい!先生は僕にとっても大事ですから、姉上との縁が切れると困るのです!」
曹彰も曹操の子供らしく計算高い所が見える。
「先生?どういうことかしら?」
曹清には先生との言葉が、気になったようだ。
「はい、先生にはこれから色々な事を教えてもらいたいのです。
その為に礼を尽くすのは当然です。」
曹彰はニコニコ笑いながら告げてくる。
「陳宮様、そのようなお約束をしたのですか?」
「したつもりは無かったけど、俺でいいなら教えれる事なら教えるよ。」
俺はお礼の意味も込めて引き受ける事にする。
「ありがとうございます、先生♪」
曹彰は嬉しそうにしている、その姿は年相応の無邪気さが感じられ微笑ましかった。
食事をおえ、昨日の仕事を再開していると曹操が申し訳無さそうにやって来る。
「どうした?」
「すまん、陳宮。
曹丕がお前を認めないばかりに・・・」
「いや、その気持ちはわかる、俺の方こそ、その曹清様に・・・」
「その件はいい、責任を取ってもらうだけだからな、だが、曹丕のしたことはお前を裏切る行為だ。」
「まあ、怪しげな薬を使用など褒められたもんじゃないな、お前の後を継ぐならそれこそ問題だ。」
「耳が痛い話だ、それで当事者達だが、曹丕は謹慎、夏侯楙は兵卒に落とす事にした。」
「夏侯楙は確か夏侯惇の息子だったよな?兵卒にしてよかったのか?」
「本来なら死罪でもおかしくないが流石に夏侯惇の息子を殺したくない、すまん、俺の詫びで飲んでくれないか?」
「俺はそれでいいが、被害者は曹清様だ、許しを得るなら曹清様に求めろ。」
俺はお茶を用意してくれた曹清を見て曹操に告げた。
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