第65話 奇襲に向けて?

烏巣が見える少し小高い丘で軍を止める。

「陳宮どうした?」

「ここらで曹操軍に戻るぞ。」

「あっ。そうだった、袁紹軍のままだったな。」

「あぶねぇ、弱さが移るとこだった。」

最後の成廉の言葉にみんなに笑いが出る。


「いいか、周りは敵だらけだ、烏巣を襲撃したら南下して小沛に向かう、遅れないように気をつけろよ。」

「「「お前がな。」」」

全員から冷たい言葉が返ってくる、確かに俺が一番馬術が下手だった。


「準備が出来たら向かうぞ。」

俺は曹清の準備を手伝うべくみんなから離れる。


「これに着替えるのですね?」

「はい、曹操軍の服になります。」

「それでは・・・」

「お待ちを、俺は外にいますので何かあれば声をかけて下さい。」

「いてもいいのに・・・」

「外にいますので。」

俺はさっと外にでるのだが・・・

「陳宮様、助けてください。」

すぐに曹清から助けを求められる。


「どうしまし・・・た。」

天幕に入ると濡れた服が張り付き取れないのか上着を脱ごうとして顔の辺りで詰まっている曹清がいた。

「陳宮さま。脱げないのです、少し引っ張ってください。」

「いや、しかし!」

「はやく、お願いします。」

曹清に促されるが、曹清の姿は脱げてない上着を除けば下着姿であり、男が見ていい物ではない。

「しかし、ですね、そのお姿は・・・」

「陳宮様ならいいんです、それより早く着替え無いと・・・」

曹清の言う通り、あまり時間をかけていると此処にいることが烏巣にバレる可能性がある。


「失礼します。」

俺は意を決して曹清の服を脱がす。


「ぷはぁ〜陳宮さま、脱がしてくれてありがとうございます。」

上着が取れた曹清がお礼を言ってくる。

「そ、それより、お着替えください、俺は出てますので。」

「いいんですよ、居てくれた方が助かりますから、時間もありませんしお手伝いしてください。」

確かに時間が無い・・・

「わかりましたから、さあ早くお着替えを。」

「あっ、下着も濡れていますね、脱がないと♪」

「曹清!!」

俺の前で下着を脱ごうとする曹清から反転して後ろを向く。

「ふふ、流石に恥ずかしいので後ろを向いててくださいね。

あっ、でも見たいなら・・・

私も覚悟を決めますよ。」

「いいから、着替えてください!」

「はーい。」

曹清も遊んでいる場合じゃない事は知っている、そのまま大人しく着替えてくれてはいるのだが・・・

「陳宮さま、今私産まれたままの姿ですよぉ〜」

俺をからかう声が止まることは無かった・・・

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