第49話 陳宮軍

「ついにバレたか。」

兗州で袁紹軍の動きを監視していた臧覇からの報告で青州に向かい袁紹軍5万が向かって来ることを知る。


「陳宮どうする?」

張遼が俺に聞いてくる。

「やり合うに決まっているだろ?

城の防衛はいい、全軍を用意しろ。」

たとえ青州を失ったとしてもこの戦に勝つ必要がある。

俺は動員出来る最大数3万を用意することが出来た。


軍を起こし、国境に向かう最中、袁紹軍の陣容が伝わってくる。

指揮官は袁譚、配下に辛評、審配、劉備といった陣容だった。


「劉備がいるのか。」

俺の脳裏には関羽、張飛二人の猛将の姿がちらつく。

二人で呂布と互角に戦えた武勇は侮れない、こちらから戦える武将は・・・

俺は張遼と高順を見る、この二人なら関羽、張飛と戦えるだろう、だがそれは張遼、高順といった、呂布軍2枚看板を外して戦わなければならないということだった。


俺は軍議の中で張遼に関羽、高順に張飛の相手を任せると話すが、張郃が発言する。

「陳宮様、張遼、高順は軍の要、二人を無くして軍の指揮がままなりません、ここは私に張飛の相手をお任せください。」

「張郃、申し出はありがたいが私は武勇について疎くてな、君が張飛と戦えるかがわからないんだ。」

「陳宮、大丈夫だ、張郃なら張飛とやり合える。安心して任せろ。」

共に訓練をしていた高順が保証する。

「そうなのか?ならば任せたい!これで軍略がなる。」

俺は張郃の手を取り喜ぶ。


「むぅ、お仲がよろしいようですね。」

曹清が頬を膨らませてこちらを見ている。

俺は青州の防衛を捨てる以上、危険性を考慮して徐州に帰そうとしていたのだが、護衛の兵がもったいないと曹清が断り、そのままついて来ていた。

張遼曰く、俺と曹清一人でも二人でも護衛するには関係無いとのことだ。

自分の武勇の無さに恥ずかしい思いをするのだった。


「曹清様、誤解にございます。

私と陳宮様は主従の間柄にございます。

曹清様と競い合うような関係ではございません。」

張郃は必死に否定する。

「何を言う、私と曹清様も主従の間柄じゃないか。」

俺の言葉に全員が冷たい目を向けてくる。


「・・・わかりましたか、張郃さん。私がどれほど苦労しているのか?」

「申し訳ありません!!」

何故か張郃が平謝りし、張遼達も頷いていた。


「なぁ、なんの話だ?」

「お前は黙ってろ。」

高順にきつく睨みつけられるのだった・・・

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