第46話 初戦
俺が張郃を配下にする前、曹操と袁紹の戦いは始まっていた。
黎陽に軍を集めた袁紹は軍議を開く。
「先陣は誰にするか・・・」
袁紹は諸将を集め先陣を選ぶ。
「袁紹様!先陣といえばこの顔良しかおりますまい!どうか私にお任せあれ!」
「待て顔良!お前だけではない、この文醜こそ先陣に相応しい者です。」
袁紹軍において2大看板でもある猛将顔良と文醜が互いに先陣を求めていた。
「勇ましいな!先に声を上げた顔良に先陣を任せる、対岸の白馬を制圧し、本隊が渡河出来るようにせよ。」
「はっ!お任せあれ。」
顔良は喜び勇んで出陣していく。
袁紹は黄河対岸の白馬に猛将として名高い顔良を送り込み拠点を確保する。
「脆いな、アッサリと落ちたではないか。」
顔良は簡単に制圧出来たことに拍子抜けしながらも攻撃した時に傷んだ港を修復し袁紹本隊の上陸を準備していた。
曹操はそれに対して官渡から延津まで進軍し、黄河を渡河して袁紹軍を無視して袁紹の本拠地鄴を狙う動きを見せる。
「小癪な曹操め、渡ってきた所を討ち取ってやる!全軍延津の対岸に向かうぞ!」
袁紹は黎陽から大多数の兵を引き連れて向かうのだが・・・
曹操はその裏を取る、歩兵を残し騎兵1万と共に白馬を強襲するのだった。
「くそっ!袁紹様に援軍を要請しろ!」
強襲を受けた顔良は対岸の黎陽にいるはずの袁紹本隊に援軍を求めるものの反応がない、混乱する兵を纏めつつ、戦うしかなかった。
「其処にいるのは顔良か!」
「ぬっ!曹操!お前がいるのなら簡単だ!ここで討ち取って戦を終わらせてやる!
おい!行くぞ!」
顔良は周りにいる側近を率い、曹操に突撃をかける。
「甘いな。」
曹操の隣にいる夏侯淵が弓で顔良の馬を射る。
「くっ!馬を狙うとは卑怯者め!」
「俺は合理性を求めるのだ、ほれこっちを気にしてていいのか?」
「なに!」
夏侯淵に気を取られていたが横から殺気を感じて振り向くとそこには大太刀を振るう典満の姿があった。
「その首もらった!」
「更に卑怯な真似を!一騎討ちを穢すとはそれでも武人か!」
顔良はスキを突かれたものの槍でギリギリながらも典満の大太刀を受け止めていた。
「やるもんだ、典満頑張れ。」
夏侯淵は典満を見守るが中々押しきれない。
顔良と典満の力比べが始まっていたのだが・・・
「悪いな顔良、時間をかけれないんだ。」
夏侯淵は無慈悲に顔良の腕を射抜く。
「ぐっ!おのれ・・・」
拮抗していたチカラが崩れ、典満の大太刀が顔良に食い込み始める。
「グフッ!武人の心も知らぬ者め!俺は死しても必ずやお前を呪い殺してやる!かならずだ・・・」
顔良は典満の大太刀に押し切られるその時まで呪詛をかけながら死んでいくのだった。
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