第5話これは

 おっさんは今首にナイフを当てられて尋問を受けていた。気づけば、そんな状態。いきなりの事と起きぬけな状況で、え?、あ、な感じと言えばわかるだろうか。

 冷たいナイフが首に添えられ、身動ぎ一つで真白なシーツは紅く染まるだろう。


 まさかのピンチな状況に



 引き攣った声で問われた事に答えていく。何者なのか、何故ここにいるのか、何故寝ていたのか…

 誰何してくる声はくぐもっていて、時々、答えてから次の問い掛けまで間があったりしたが、一番食いつかれたのは空を飛ぶ事だった。まあ、当たり前と言えば当たり前だが、人が空を飛ぶ。人類の一つの夢だろう。


 方法は? どうやって? 誰でも? どれくらい? 


 矢継ぎ早な質問に答えれる事は答えるおっさん。


 秘密な方法な訳ではないので、まあ難しいのとセンスは必要であろうが頑張れば何とか… 


 少し余裕の出てきたおっさんは軽い感じで話し始める。そもそもは考え方の違いであると。重い物は軽くしてしまえば飛ぶ事は出来なくても跳ばすことが出来るし、その場合滑空みたいになるが、疑似的でも飛行だろう。浮いたのだから。なおかつ何かしらで浮かせられるのであれば、後は推進力に変わるものがあれば進むことが出来る。


 組み合わせさえ出来れば、何とかなるだろう。どこを求めているかだとおもう。

 

 おっさんはどうかと言えば、違うと言える。このやり方はちょっと難しいだろう。あるといえばあるし無いと言えばない。理解ができるかと信じられるかである。

 上辺はみな何となくでもそうなのだろうと分かるが、真実理解できてないからだ。皆がそうなのだろうと言うからそうなのだろう。と言うアレだ。

 結構多い事柄で、分かって居るようで分かっていないので、説明して分かっても信じ切れない。

 そういうものだと思って居るだけの事。


 逆に分からなくても信じ切ってしまった方が、強く早かったりする。コレだコレ!! である。もしくは外部にそれっぽいものが合ったほうが人は信じやすいのだ。


 だが、この世界にはそれがある。そう魔法だ。


 理論も経験も必要のない。イメージの世界。


 理論と経験が補強であって、方向性と手掛りの世界。


 

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