月の女神セレーネー
女神タレイアの視点になります。
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花の女神タレイア視点……
この話は、ライカ・ウォルデムこと主人公が転生で異世界に行った後のお話。
転生の作業を終わらした
やはり転生させる魔法陣はとてつもないほどの魔力を使用するというのもあり、その反動で少しの間は動けなくなりますね。
「あら、タレイアも誰かを送ったのかしら?」
私が下を向いて考えていると、聞き覚えがある声が聞こえ、私はゆっくりと声がした方に顔を上げると、そこには私と同じく女神がいた。
見た目は黒いローブそしてスカートを着ており、耳には、月のピアスを着けている。
そう、彼女は月の女神セレーネーなのです。
「そういうセレーネーも何やら疲れ切った顔をしているようなのだけど?」
「実は私もあなたと同じく日本で亡くなった一人の青年の子を送り出したのよ」
「ふむ、それでその青年の名前はなんて言うの?」
「彼の名前はえーっと……忘れちゃった」
私は大きくため息を吐いた。
実はこの子は人の名前を覚える事が出来なくて、結構昔に私の名前を覚えてもらうのに凄い時間が掛かったという話があるのです。
せめて送り出した転生者の名前ぐらいは覚えて欲しかったです。
「それじゃあタレイア、あなたは逆に今送った転生者の名前は知ってるの?」
私は頷きながら名前を言った。
「へぇ、少し変わった名前だけどなんか覚えやすいわね」
「人の名前に少しとか変わったとか言ったらダメです」
相変わらずこの人は……たとえ女神だからと言っても上から言うのは宜しくないのに。
転生魔法陣の反動は着々と消えていき、やっと立てれるようになった。
「まぁともかく、これから女神の仕事として屋敷に戻りますよ」
「えぇ、そうね」
何故かセレーネーが微笑んだ顔をしたのは気にしなかったことにしておこう。
――女神の屋敷――
我々女神や神は、この屋敷で住んでおり、例え異世界の人間でも、日本やそれ以外の国から来た人でもこの屋敷を発見する事は出来ない。
なぜなら神にしか扱えない魔法で、この屋敷自体を見えないように覆い尽くすからなのです。
そしてこれからやる仕事こそが、我々女神が異世界に送った転生者にとって、とてもありがたい仕事をやらなければならなかった。
転生者を見るには特別製の水晶玉で転生者を見るというのがある。
勿論水晶で最初に見る基本的に呟くセリフは……
「ここは一体どこなんだろう……」
まぁ、流石に急に異世界に飛ばされたりしたらそんな反応をするのは当然の事ですね。
私はライカ・ウォルデムがやって来た事を水晶でずっと眺めていると、セレーネーがこっちにやって来ていた。
「タレイアってよくこんな暇な作業が出来るわよね」
「元の世界で亡くなった人々を送り出したという責任があるんですよ。セレーネーもお菓子を食べてないで監視しなさい!」
ポリポリ!
セレーネーは相変わらず女神としての責任感が無さすぎです。私の苦労を与えたいぐらいです。
そう考えていると、ふと転生者にとっても大事な事を忘れていた。それは仲間です。
やはり日本やそれ以外の国では、我々が送る世界のことをファンタジーと言うそうです。ファンタジーならば仲間は必須でしょう。
ライカ・ウォルデムにぴったりな仲間の冒険者と言ったら、何なんでしょうか。
「あら、タレイア?あなたが送り出した転生者が、メイナード王国の冒険者カード登録所で慌てた事になっているのだけど」
「え?」
私はその言葉で慌てて水晶を見てみると、ライカ・ウォルデムのレベルが90だった事に気がついた。
「ちなみにこの子はなんて特典を言ったのかしら?」
「確か、"この世界で生き抜く事ができる程"って言ってたから、最低でも始まった辺りでレベル20ぐらいにしたはずなのだけど……」
「まぁ、やってしまった物は仕方ないわよ。私だってよくやる事だから」
はぁ……まさかセレーネーに同情して貰える事があるなんて思っても無かった。
多分この先このままやっていくと、魔力の放ち方に慣れてなくて暴走する恐れもあるだろうし、ライカ・ウォルデムにあった仲間の冒険者と言ったら、彼女らしかいないわね。
私はセレーネーから離れ、祈るように手を組みながら念を込めた。こうすることで下界の人間に、我々の声を聞かせることが出来ると言ったものである。
「女神タレイア様、今回はどう言った要件でしょうか…」
その声の反応的に、とある村にある教会にいた村長が声に聞こえたようだ。
「我、女神が神のお告げを与えます 心して聞いてください この村に住む姉妹二人をメイナード王国にいる、ライカという冒険者と一緒に旅をするように。それが私のお告げです」
「姉妹二人というのはもしかしてカルーシャとアイシャの事ですね。畏まりました」
そう言うと、村の村長は二人の姉妹に私のお告げを言いに言ったことでしょうか。私女神は送り出したという責任があるため、やる事はやらないといけません。
ですが、この事は彼らが知ることはきっとないでしょう……
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次回から再び主人公視点です
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