仮パーティに入りました
翌朝、私は仲間探しをする為にギルドでパーティ募集の貼り紙を貼り、朝飯を食べながら待っていると、私よりもランクが高い冒険者が目の前にやってまいりました。
「なぁ、そこの姉ちゃん、仲間募集の貼り紙見させて貰ったぜ。俺達のパーティと一緒に行ってみねぇか?」
そのパーティは、リーダーはこの男
残りの二名はウリスにケニア、ウリスは男で、
今回私を仲間にした理由は、メイナード付近にある洞窟にガーゴイルが大量に発生しているという事で、今回のクエストを受ける事になった。
洞窟の中は、荒れた所や壁に穴が空いている所がちらほらとある。
「この辺にはガーゴイルいないようだぜ」
「それにしても、どうしてこの辺にはガーゴイルはいないのか気になるところだな」
僧侶のケニアは私の方を向いた。
「あなたが怪我をしたら、私が回復してあげるから、みんな頑張るのよ。そして新入り足でまといになったりしたら、知らないから」
この僧侶の方、このパーティの中で唯一常識があって、優しい性格の人かと思っていたけど、結構気が強い人なんだな……
「は、はい。気をつけます。」
「まぁ、あいつはあんな事言ってるが、そんな固くなられたりしたら、こっちが関わりづらくなる。冷静に行けよ」
意外とこの人は、女たらしのような性格だと思っていたけど、案外いい性格を持っている。人を見かけで判断したら行けないと言うけれど、
そんな時、洞窟の奥から大量の気配を感じ取った。
♢気配察知スキルが発動しました
「皆さん、武器を構えていて下さい」
「おっと、どうしたんだ?」
「奥からとてつもない程の気配を感じました」
「なっ、んなばかな。君のようなEランク冒険者でもある君がどうしてそんなことが分かるんだ?」
確かにそりゃ急に、私みたいなEランクの見習い冒険者がいきなり、気配察知スキルのような発言をしたりしたら、こんな風に言われるのも仕方ないですよね……
私自体、別に覚えたくて覚えた訳では無いんですけど。
魔法使いのケニアは、洞窟の奥に異変を感じ取ったか、杖を構えていた。
「ケニアもどうしたんだ?こんなやつの言うことを聞くのか?」
「確かにEランク冒険者のあの子がおかしな事を言っているとは思っていたけど、確かに奥から凄い多くの魔力が感じるわ、ウリスあなたも一旦冷静になって、感じ取りなさい」
ウリスは落ち着かせる為に一呼吸をした後、目を瞑り魔力を感じ取り始めた。
「こ、この魔力の感じ的にこっちに来る」
「という事は本当に……」
シテツは私の方をチラッと見たが、洞窟の奥から来るガーゴイルに向けて、斧を構えた。
バタバタ! バタバタ! バタバタ!
奥から、ガーゴイルの羽ばたいてる音がたくさん聞こえてくる。この音の正体はきっとガーゴイルの群れだろう。
「ガッアアアアアアアアアッ!」
群れの量的には30体以上ぐらいだろうと思われる。普通のEランク冒険者のステータス持ちだったら、結構キツいバトルになると思われるけど、私自体がチート並みのステータスの訳だから、楽勝に攻略出来るとは思われるけど、自分のステータスがおかしい事にバレないように戦わなくちゃ。
ガーゴイルの戦闘でまず最初に動き始めたのはシテツ、彼の専門職は戦士というのもあって、最前に動き始めたようだ。
すたすた! すたすた!
シテツはガーゴイルの方に向かって走っていった
「行くぞ、お前ら」
「はぁ、シテツお前はいつもすぐに最前に行くな」
「まぁ、あーいう所がシテツの良いところでもあるんだろうけどね」
これがパーティか、私もいつかこういう絆があるようなパーティが出来るのかな。
ケニアは私の方を向いて言った。
「あんたもさっき、まさかスキルを使用したなんて思わなかったけど。さっきも言ったとおり、足でまといにならないように気をつけるのよ」
「き、気をつけます」
ガーゴイル達は、こちらに向かってくるシテツに向かって飛んで行く。
「ガッアアアアアアアアアッ!」
ばたばた! ばたばた! ばたばた!
シテツは立ち止まり、持っていた斧を構え、攻撃の準備を始めた。
「斧スキル♢ぶんまわし!」
シテツは斧をぶんまわし始めた。
ブンブンッ!
「オラアアアアアアアアッ!」
シテツはガーゴイルの方に進みながら斧を振り回す。
ガーゴイルは少しずつ少しずつ削られていく。
その頃、ウリスの方にガーゴイルが向かってきている。魔法使いは後ろから最前の人を護衛するのが本来の役目だが、ガーゴイルはこちらに向かって来ている。
だが、ウリスは慌てずに冷静に対処しようとしていた。
「やはりこっちにも来たな」
それはまるで、こっちの方に来るのは知っていたかのように。
「ガーゴイルは意外と頭がいいモンスターで、最前列に戦うやつよりも先に、最後列の冒険者を狙うのがコイツらだ」
ウリスは私の方を向いた。
「ちなみに聞くが、コイツらガーゴイルの弱点は分かるか?」
「確かガーゴイルと言ったら、風魔法が弱点だったはずです」
この知識は勿論、小説やゲームとかの知識ですが……
ウリスは頷いた。
「そうだ。ガーゴイルは風魔法が一番の弱点だ」
ウリスは杖に魔力を込め、詠唱を唱えた。
「空気の刃で範囲内にいる敵を斬り刻め、
それは単体の下級空気系攻撃魔法エアースラッシュ、空気の刃で範囲内にいるガーゴイル達が空気で切り刻まれていく。
これが魔法なんだな。サランさんとクエストを受けていた時は、土属性の魔術で馬車を守ったりしていたけど、攻撃系の魔法を見るのは今回が初めてだ。
それになんだが、私にもあの風魔法を使えそうな気がする。
♢風魔法・エアスラッシュを覚えました
私はウリスさんの真似をしながら右手を前にだし、手のひらに魔力を込めて詠唱を唱えた。
「空気の刃で範囲内にいる敵を斬り刻め、エアスラッシュ!」
その威力はとてつもなくいい加減な威力だった。魔法使いのでもあるウリスが使うエアスラッシュを遥かに超える程の威力。
「ガッアアアアアアアアアッ!」
それは、ガーゴイル達の断末魔だった。
ウリスは動揺しながら私を見た。
「な、なぁ……今のって本当にエアスラッシュなのか?」
「あんないい加減な威力、危うくこっちも食らうかと思ったわよ」
「な、なんかすみません」
流石に初めて魔法を放って見たが、こんなにも自分が放つ魔法がこんなにもやばいとは思ってませんでした。考えてみれば、レベル90ぐらいの人間が制御もせずに魔法を放ったりしたら、迷惑をかけるのは当たり前か……
シテツはスタスタっと走ってこちらに向かってきていた。
「さっきの魔法とても凄いが、あんな威力の魔法をこれから何発も打たれたりしたら、こっちの身が持たん。気をつけてくれ」
「すみませんでした」
「まぁ一応、今のいかれた魔法のおかげでガーゴイル達を全員討伐する事が出来たことだけは、褒めてやる」
「ありがとうございます」
魔法は出来る限り使うのはやめておくとしよう。
さっきみたいな事が起きてしまったりしたら、皆さんに迷惑をかけてしまうから。
――Quest clear――
ガーゴイルのクエストを終えてギルドに戻って来た私とシテツさん達は、ギルド員のイリアさんに討伐の報告とガーゴイルが落とした素材などを渡した。
そして数分後……報酬の時がやって来ました。
「今回のガーゴイルの報酬金貨十二枚と、ガーゴイルの素材を売った時の金額を合わせたら、金貨十二枚と銀貨八枚と言ったところだな」
「一人金貨三枚と銀貨二枚と言ったところね」
流石に今回のクエストでこの方達に迷惑をかけてしまったし、流石に貰う訳には行かない。
迷惑料のつもりで、貰わないのとこのパーティから抜けるとしよう。
「あ、あの……」
私は怯えながらシテツさん達に聞こえるように言った。
「どうした?」
「私今回皆さんに迷惑をかけましたよね……」
「あの、いかれた魔法の事ね」
「はい」
せっかくパーティに誘って頂けたけど、迷惑はかけられない。
「私今回のクエストで皆さんに迷惑をかけてしまったので、私このパーティから抜けさせて頂きます」
私はぽつりと涙を流していた。
ケニアさんは辛辣なような事と感謝を私に言ってくれました。
「あなたのせいで危なかったし……責任は取って欲しい所だけど」
「まだEランク冒険者なんだ。甘く見てやろうぜ」
「でも今はいかれた魔法だけど、制御が出来る程になればきっとこの先、もっと強くなると思うから頑張りなさい」
私に対して辛辣な事をいつも言うケニアさんだったけど、最後に優しいお言葉を頂けるなんて思っても無かった。
「あぁ確かに、ケニアが言った通り今はいかれた魔法だが、上手く制御出来るほどになればきっと、俺よりもいや、CランクBランクを超える程の実力者になる事間違いなしだ。頑張れよ」
ウリスさんも右手をグッドのポーズで私に言ってくれました。
「はい。頑張ります」
「この報酬の金貨三枚と銀貨二枚は姉ちゃんの活躍で獲得した金額だ。持っていけ」
「はい!」
私は言われた通りに報酬を受け取りました
・金貨三枚と銀貨二枚を獲得しました
私は最後にシテツさんとウリスさんそしてケニアさんに今回のクエストに同行出来たことの感謝を伝えて、その場を離れ、宿屋で休む事にした。
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