転生したようなんです 2


 そうだ、私はあの幼い見た目の女神様にこの世界に召喚され転生されたのか。


 一応特典で"この世界で生き抜く事ができる程"の特典を得ることが出来たけど、まだベッドの上だと得られたかどうかまだ分からないな……

 私は立ち上がり、とりあえず部屋を出て、1階に降りることにした。


 降りるとそこには一人男性が何やら椅子に座って本を読んでおり、きっとこの人がこの世界の私の父親何だろうなって思っていると、父は私の方に視線を向けた


「おぉ、ライカか、おはよう。今日はなんだかいつもよりも起きるのが遅かったな……きっと今日から16歳で一人だちをするのが緊張で寝れなかったんだろうな」


 16歳で一人立ちって……まだ早い気がするけど、私のような別世界から来た転生者が愚痴口を言う資格は無いし、この世界は、この世界のルールに守らないと行けないな……


 父は私の方に近づき、肩を優しく叩いてこう言った


「もし何か困った事や苦しい事があれば、遠慮せずに相談をしに来るんだぞ、いいな?」


 私は頷いた


 この人はとっても子供思いの良い父親なのか、別に元いた世界の本当の父も私の事をよく心配してくれる優しい父親だったけど、どこの世界もやっぱり親は自分の子供に優しいんだね。こんな親の元で生まれてこれて私はとても嬉しいよ。


「とりあえず旅立つ前に、ライカには5金貨渡して置くからな、それぐらいあれば王国の宿に泊まっても8日間ぐらいは泊まれる金額だが、これだけの金ではこの先やっていけないだろう……」


 金貨5枚獲得しました


 確かに、考えてみると"この世界で生き抜く事ができる程"って言っただけであって、お金関係の事を言うの忘れていたけど、逆にこんなに金貨を貰えるってことは、これ自体が特典ってことは無いか……


「ライカ、お前は昔から冒険者になるって言ってたよな、なら、冒険者らしくまずはギルドで冒険者登録をした後、モンスターを倒して、剥ぎ取った部品などをギルドで売ればお金になるし、クエストをこなせば報酬金を貰えるはずだ」


 なんだか気になる情報が色々教えて貰えたけど、これはゲームで言うところの、最初に教えてくれるチュートリアルみたいな感じよね……


とりあえず父の言う通りに、王国に着いたらギルドに行って、冒険者登録を済まさないと行けないわけだけど、それってお金かかるのかな、それとモンスターを倒して報酬を得るって言っていたけど、こんな私でも勝てるのかしら……


 私は深くため息をつくと、父はそれに気づいたか私にこう言った


「今は不安が大きいと思うが、やってみないと分からないだろう、大丈夫だ、俺はライカならちゃんとやって行けると思っているからな、頑張れよ」


 私は頷いた。




「王国までは、この馬車で行けば安全に到達する事が出来るだろうから、安心していいからな」


 確かに徒歩で行くと、いつどこでモンスターに遭遇するか分からないし、出来ればまだ心の準備が整うまでは、出会いたくないな……


「あら、今日旅立つのね」

「この先、大変な事があるじゃろうが、頑張るんじゃぞ」


 奥から陽気のお婆さんと村長らしきお爺さんがこちらにやって来た


「これはこれは、武器屋の奥さんに村長さんじゃないですか……」

「全く酷いじゃないか、ライカちゃんが旅立つって言うなら、言ってくれないと」

「全くお主は昔から変わらないのう」

「やっぱり皆さんにも可愛がって頂けたライカを旅立たせるのを伝えるのは、悲しませてしまうと思い、後にしようかなって思ってまして」

「何を言ってるんだい、悲しむわけないじゃないか、ライカちゃんが一人立ちする姿を見送りたいじゃないか」

 

 武器屋の奥さんに村長さん、皆さん優しい人達のようなんだね。こんな村で生まれてこれた、現在は私だけど、ライカ・ウォルデムは良い環境で生まれてこれたようだ。


「ライカや冒険者になるんじゃったら、縁起が悪いが、死なないように気をつけて戦うんじゃぞ」


 確かに転生したとはいえ、この世界で死んでしまったら元も子も無いからな……


「ライカちゃん、見た感じだと武器を持っていないようだし、この剣でも持っていきない」

「け、剣なんてそんな……流石にそんなタダでは貰えないですよ」

「いいのよ。そんな事、旅立ちのお祝いと思って持って行ってくれればね」


「あ、ありがとうございます」


 銅の剣を取得しました


 銅の剣って思っていた以上に軽いんだ


 私は銅の剣をじーっと見ていると……


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 銅の剣

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 攻撃力:16

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 これは一体、攻撃力が16なのは、良いのか悪いのか、分からないけど、でも武器の情報を教えてくれるのはありがたいし……別に問題ないか


「どうしたんだい、もしかして気に食わなかった所でもあったかい?」

「いえ、こんなとても良い感じの銅の剣を持つことが出来て、嬉しさのあまり見惚れてただけですよ〜」

「そうかい、なら良かったよ」

「そろそろ出発の時間だぞ、ライカ」

「はい、お父さん……武器屋のお婆さんに村長さんこれから旅に行ってきます、そして長い間お世話になりました。行ってきます」


 私は転生した記憶はあるけど、このライカという記憶は残念ながら残ってはいない、せめて代わりに私が感謝を伝えないとね

 


「よし、それじゃあライカ……気をつけるんだぞ」


「はい、お父さん、行ってきます」


 父はきっと娘の旅立ちで悲しんでいるんだろうけど、父は娘の私の前では涙を見せないように私の旅立ちを最後まで見送ってくれてました。

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