魔術師のロボット~最凶と呼ばれたパイロットによる世界変革記〜
MS
prologue
「うわぁ。凄いね。パパ!」
「あぁ。そうだな。」
三歳になったばかりの男の子、アルバート・デグレアは父親に肩車されながら軍事パレードを見ていた。
その中でも彼が釘付けになっていたのは、空を浮いている人型の兵器、キャスターであった。
かつて戦場を軍艦、戦車、戦闘機が支配していたように、今この時代で戦場を支配しているのはこの全長二十メートル弱の兵器であった。
五機で編隊を組んでいるキャスターは一昔前の航空ショーのようにアクロバティックな飛行をしていた。
「パパもあれに乗ってるんだぞ〜。凄いだろ。まぁパイロットにも年齢制限があるから後数年だが。」
「僕もあれに乗れる?」
「あぁ。勿論だ。お前は俺の自慢の息子だからな。あ、そうだ。どうせだし、後で俺の部下にも挨拶しに行こう。」
アルバートの父であるアレニスはそう嬉しそうに言う。
「お前もいつか人々を守るような軍人になれよー。応援してるからな。」
それがアルバートとアレニスの約束であった。
*
「親父、行ってきます。」
それから十二年の歳月が経った。アルバート・デグレアはその日いつも通り朝の六時に起きて、食堂で朝食を食べ歯を磨き、学校に行く準備をすると、父親の写真に話しかけた。
彼の父親であるアレニスは彼が五歳のときに戦死した。その後施設に預けられ、中等部に上がるタイミングで彼は幼年学校に入学をしていた。
そして幼年学校の厳しい専攻の振り分けを受けながらも彼はキャスターのパイロットとして幼年学校を進み続けていた。
「来月の最終試験が終われば、ようやく俺もパイロットになれるよ。」
後もう少しで自分の父親と同じ職業になれる。その日が彼にとって楽しみであった。
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