第2話 的当て

 僕は今『的当て』の試験会場に向かっているところだ。

 この試験は的の中心をファイヤーボールで打ち抜かないといけない。的が遠いものに関しては、魔力を最大限に上げて当たれば儲けものという感じになる。


 ここが会場かぁ、結構広いな。

 俺の魔力で的まで届くかな? 


 魔力を集中させないと。


 順番は受験番号で決まっている。僕の番号だとここの列に並ぶのか……。


 げっ!?


 僕の前にあの女の子がいる!?

 嫌な予感がするが、あの貴族もいないみたいだし、試験ぐらいは大丈夫だよね?

 


「次、受験番号8814番の田原莉子たはらりこさん! お願いします」

「はい!」



 あの女の子、田原莉子っていう名前なんだ。変わった名前だけど遠くから来たのかな?


 さっき無詠唱で魔法を打つぐらいだから、こんな試験余裕かもしれないね。

 お手並み拝見といきますか。



 ボッカーーーン!!



「キャー! 会場がー!!」



 一体何が起きた!? 一瞬、意識が飛んだような凄い圧を感じたけど......。

 

 こ、これは的どころか会場が無くなっているー!!

 僕は彼女を見ていたはずなのに、何が起きたのか分からなかった!!



「大分加減したのにやり過ぎたかな? でも、的は全部倒したからいいわよね」



 言いわけないだろー! って叫びたいが怖いからやめておこう。ていうか、加減してこの破壊力かよ。


 僕の直感も捨てたものじゃないな。この子はやばい。


 というか、僕の試験はどうなるんだろう?

 まだ、このあとも休憩挟んで、先生との実技試験があるのに。



「受験者の皆さん! 別の会場を設けますので暫くお待ちください!」



 はぁー、休憩時間無くなったな。

 

 


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 次回、第3話 実技試験


 実技試験は先生と実践を交えながら、技量を測る試験です。決して先生を倒そうとしてはいけません。

 

 

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