規格外!最強チート主人公から地味に巻き込まれるモブの僕

古手花チロ犬

魔法試験

第1話 貴族とトラブル

 僕の名前はカムス。

 

 ごく普通の平民で、これから魔法学園の入学試験を受けに行くところだ。

 今日は魔法の実技試験で、戦いは苦手だから少し憂鬱。でも、水晶で魔法の属性を鑑定する検査はとても楽しみだ。


 僕はその水晶に興味があって、将来水晶を作る魔道具技師になるのが夢。


 でも、この学校は有名校で、貴族も多いから気を付けないといけない。もし、トラブルでも起こせば退学、若しくは親の仕事にも迷惑がかかるかもしれない。


 だから、平民は出来るだけ関わらないのがベストだ。



 もうそろそろ着きそうだ。

 あれが校門かな?


 うん?

 校門前で誰か揉めているな。


 げっ!? あれは貴族!? 

 そんな相手に喧嘩売ってるのは......。

 

 女の子!? しかも平民か!? 



「貴様! 平民のくせに生意気だぞ!! 僕を誰だと思っている!!」

「知らないわよ」



 あれは大貴族のバルボン家じゃないのかー!?

 貴族に絡まれたみたいだが、平民がそんな応対しない方がいいぞ。僕も巻き込まれるのはごめんだから、早くこの場を去ろう。

 

 次の試験の『的当て』の準備をしておきたいしね。



「僕を怒らせた事を後悔するがいい! 炎の精霊よ 我に集え 灼熱のほのっ」

「ふん」



 ボッカーーーン!!



「なにーー!? 詠唱無しでこの威力?! き、貴様何をしたー!? グハァ」

「何って、別に大したことはしてないわ。こんなの普通よ」



 痛てー! 何か小石が飛んで来たぞ。

 地味に痛い......。


 喧嘩なら他所でやってくれよ。わざわざ校門前でやるなよ。


 それにしても、無詠唱で魔法を使うなんて初めて見た。

 あの女の子は何者だ?


 僕の直感がと言っている。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 次回、第2話 的当て


 的当ては、的の中心を打ち抜く試験です。決して、ぶっ壊すものではありません。


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