第4話 戦争
~護衛艦「あまぎ」艦橋~
「憲法九条改正へ……か」
成美は夕日新聞を読みながらつぶやいた。
「まあ、憲法が変わっても仕事は変わらないですよ」
「確かにそうだな。さて、仕事仕事!」
成美は立ち上がり、艦長室に向かった。
「まあ、平和が一番だよ」
扉が閉まった。
***
今回の航海は日本の南に位置するドミエリン帝国との接触が目的である。
フェロー王国と接触した際と同じ艦隊が向かっている。
ドミエリン帝国は帝国主義の選民思想国家だとフェロー王国が言っていたが、
「接触してみんとわからんやろ」というアメリカ大統領の一言で艦隊の派遣が決定された。
全権大使として宮内外交官とロバート外交官が海上保安庁の巡視船で付いてきている。
しばらく進み、日米艦隊はドミエリン帝国の帆船と接触。
その後、日米外交団は帝国に上陸。皇帝と謁見することになった。
だが……
「北の蛮族風情が我が国と対等な国交を結ぼうとするとは!衛兵!奴らを牢にぶち込め!その後、奴らの国に進攻する!」
というわけで、日米外交団は牢屋に入れられた。
***
~「あまぎ」艦橋~
「外交団が捕まった!?」
「はい」
「右方向、馬に乗った騎士団がこちらに向かってきます!」
「あと、帝国が日本とアメリカに宣戦布告しました」
「……もっかいいって?」
「帝国が宣戦を布告しました」
「バウ・ブラスター機動!出港準備!錨鎖詰め方!!!最大戦速!!」
「号令滅茶苦茶ですよ!?」
「うっさい!」
「ああもう……」
(この人、たまに狂うな……)
***
その後、強襲揚陸艦「アメリカ」及び護衛艦「あまぎ」から発艦したヘリコプター部隊が外交団を救出。
国連により沖ノ鳥島の南方10マイルに海上基地がつくられ、帝国の侵攻に備えた。
この基地は国際連合新世界基地と呼ばれ、地球圏国家の寄港地となった。
***
~国際連合新世界基地・北港~
現在、「あまぎ」やその他多くの護衛艦が給油を受けていた。
後に行われる上陸作戦の援護部隊である。
「なんかこう、給油の様子を見てると原子力空母ってのがうらやましいね」
「そうですね」
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