第8話 井戸を掘っても金気水

 丸木小屋の集落が出来た、規模的には村まで行って無いが、西部開拓の拠点が出来た。


 川の氾濫が有っても大丈夫な場所に家を建てた為、水汲みは不便になってしまった。

 いつまでも川に水汲みに行く訳に行かない、デニスと助手2人が井戸堀を始めた。

 集落の各所にカップを一晩伏せて置く、一番湿気た所を掘り出した。

 直径1メートルの円で、そのまま真っ直ぐ掘り進めた、見事な名人芸だ。

 助手2人がロープで降ろしたバケツに掘った土を入れ、助手2人が交互にバケツの土を捨てる。

 休む事なくあっと言う間に水脈にたどり着いた。

 仕上げは、くり貫いて空洞になった80㎝の木枠を差し込み、井戸の完成だ。


 せっかく掘った井戸、残念な事にわき出た水は、異臭のする金気水かなけみずだった。

 移民団のメンバーは、何でも問題解決出来る凄い集団だエミリーさんが森に入ると言うので、護衛がてら着いて行った。


 エミリーさんは、樹皮がボロボロに見えるシュロの木が目当てだったようで、木を倒すのでは無く樹皮を集めて背負いカゴに入れてゆき一杯詰め込み満足して帰る、同行の私は居ない人扱い?凄く奔放ほんぽうな人だった。

 金髪の凄い美人だからかな?他人を気にしない、自由奔放な正確になったようだ。


 エミリーさんは、木の樽にシュロの樹皮を敷き砂を入れ、シュロの樹皮を、砂と交互に敷き、出来上がり?金気水を上から満杯入れて……終り?

 これで何がどうなったのか?飲料水になった。

 説明も何も無い、凄い人かも知れないが、友達には成れないだろうし、なりたくない。


 西部には飲料に適した水がほとんど無い、西部が放置されてた一因だが、この優秀な集団ならば、問題にもならないようだ。


 場所にもよるようで、麦畑や芋に豆などの畑の近くに掘った井戸からは、珍しく飲料水が出た。

 川より近くなので、飲料水や煮炊きように使う事になった。

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