第7話 砂金だ!

 毒ヘビと聞いて移民団のメンバーは皆恐れて居たが、ガラガラヘビは攻撃的では無い、ガラガラ音で威嚇するだけの臆病なヘビだ。

噛まれると死ぬ事がある厄介ものだが、タバコを嫌う事と駄馬はガラガラヘビを見付けると頭を踏み潰し、毒のある頭のみ残し食ってしまう。

 それほど恐れるものでは無い。


 私とホップは祝いの喫煙を堪能してる。

 コロボスやワイアットに一服させて見たが「頭がクラクラする」「幻覚剤か?」と不評だった。

 幻覚剤は別にある『ターマ』と言うが、害があり神降ろしの儀式以外喫煙は禁止されて居る。

 タバコは儀式や祝いに吸う、神聖な嗜好品だ。



 拠点の町作り作業が始まった。


 森から木を大量に切り出し、皮を剥いで乾燥させている。

 もう一人のガン職人ウエッソが、数人の男と砂鉄の調査のため川に向かった。

 非力な私は木の切り出しには不向き、ウエッソに着いて川に行くことにした。


 男達は大なべで川底をすくい、水の中で揺すってる?

 この方法で、砂や小石より重い鉄がナベ底に残るそうだ。

 私も真似をしてやってみたが、揺すり方が大変難しい無造作に揺するとすくった物全てナベから出てしまう、が、唯一残った粒が日の光りにキラリと光った。

「あれ?…砂金かな?」

 小さな光る二粒をまじまじと眺めた。

「砂金が採れた!」

 僕の声にウエッソ達が集まって来た。

「おぅ!!砂金だ!」

「砂鉄取りどころじゃねぇぞ!」

「この川の上流に、金鉱が有るかも!」


 イゲレスでも金は貴重らしい、皆の目の色が変わった。


 拠点作りと砂金採り、二手に別れゴールドラッシュに湧いた。

 砂金は予想外に採れ、移民族は他に無い大金持ちの部族になった。

 砂金単独より、指輪などの装身具にして付加価値を付ける為、ココと言う女性が金細工を始めた。


 砂金と一緒に砂鉄も大量に採取でき、丸木小屋のは材で炭焼き、木炭で砂鉄を地金にしてウエッソ達が農機具や道具類、ガン製造を始めた。


 

 「シャイアン、ここが良い」

 本格的な居住地は、少し高台になっている森を伐採し空き地を作った。


 ワイアット達の製鉄所や鍛治施設と、ココさんの金細工作業場は、居住地から随分離れた場所になったが、騒音や熱気の出る施設は居住地から離れるのはしょうがない。

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