第2話 漁業改善
私とホップは、漁業の実習を受けている。
細いロープの先に曲がった骨が着いていて、魚の切り身を骨に刺し、魚を釣るテグス釣で漁をしてる。
「シャイアンさん!初めてなのに、大物ですね!!」
ジャロの娘が、僕の指導員だ。
モヒカン巨体の、ジャロに全く似ていない、綺麗なお姉さんのサミットさんが、最後に魚を逃がさないよう、網ですくい上げてくれた。
網で魚をすくうなら網だけで漁をすれば良い!
「サミットさん、その網のもっと大きい物有りません?」
「え?網はこの大きさしか無いよ」
「そう、ですか……」
シャイアンは思い付いた事、網の利用方をサミットに説明した。
「テグス漁業って、効率悪いでしょ!大きな網を沈めて置いて、餌を蒔いて魚が集まった時、網を引き上げたら楽に大量の魚が獲れると思ったの」
「ん?んん!それ、凄い発想!帰って父さんに説明して!!」
ジャロに構想を説明した。
「村長、その方法なら大量に漁獲出来る!長く大きい網も簡単に出来るだろう、だがその漁では船が転覆するぞ」
「船か……船は大きくする事は出来るけど、漁の微妙な操作が出来なくなる…」
ダメ出しを食らって、私とホップにサミットさんは、海岸に引き揚げて並んだ船を眺めてる。
「安定させる……」
「シャイアン!船を2つ繋げたら?」
ホップが砂に絵を描いて説明したのは、2つの船を板で繋ぐ、2双船だった。
「ホップ!凄い!これなら簡単に出来て、操船も簡単!!」
丸木船を4艘使い、2双船を2艘造り漁にでた。
問題点もあった、大量の魚が入った重い網を引き寄せる力仕事、腕力の優れた男4人でも簡単には引き寄せれず、長時間のロープ引きは1度でくたくたに疲れる作業だったとか。
漁獲を考え、1艘に4人乗るのが重量的に限界……流し網をもう少し短くするか?
工夫改善を繰り返した。
漁業時間が短縮され、村民の空き時間が増えた。
改善を一緒にやったサミットさんとは、かなり親しく話せる様になった。
「私ね、無能じゃ無いの回復魔法使えるよ」
ジャロイモ族の父とホビ族の母の娘のサミットは母方の治療魔法を引き継いだそうだ。
サミットと同じで、東海岸で生まれた子供は、無能どうしの親でも結構な確率で両親どちらかの魔法が使える子供が多いそうだ。
考えたら当然だよ!無能は因子による物じゃ無くて遺伝もしない。
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