猫の金平糖
ハナミ
第1話私って
気が付いたら
彼女?
不思議
静かに本を読んでいる彼を見る
彼は
私みたいな
人間が好きだと
不思議な人
普通の人と付き合えばいいのに
コトリ
と自分の殻の中に入る私
やっぱり
人間は苦手
なんか怖いの
ねぇ
人間ってチグハグじゃない?
影で悪口言って
また
チグハグ
仲良くご飯食べて
気持ち悪い
人間でいるのしんどいの?
彼に言う
彼は伏し目がちに
飼い猫に言うように
大丈夫だよ
コトリはコトリだから
なら
人間に会わなければいい
頭を撫でる
本当に
性欲を感じさせないから
安心する
私は
ダメな物が何種かある
手料理
性欲
体を重ねる事
気持ち悪い
愛とか
恋とか
だけど彼は
コトリは僕を好きだよ
もう何年も言われて
そうなのかな?
って
彼は
彼に性愛をあげれない私でもいいと
恋文だけで
満たされるからと
彼も
少し狂気の世界にいる
神経質な顔
サラサラの黒髪
彼とは
1度も肌を合わせた事も
接吻もない
代わりに
彼は
表の現実世界にでては
傷ついて
死のうとする私を
優しく
包み込む
あったかい
カフェラテで
そして
5年目にして
もういいよね
と
意味が分からなくて
何が?
と
彼は神経質な顔をあげて
名前を捨てようと
君は今日死んだんだよと
だから
新しい名前は
コトリと
静かに響くテノールの優しい響き
彼は続ける
コトリは
僕以外を見て感情を乱す
直ぐに
僕を置いて
違う世界に行こうとする
死にたがりのコトリは
外に出たら
ダメだよ
僕だけを見て
僕の為に存在したらいい
家を用意したし
コトリは
もう
外に1人では出たら
ダメだよ
僕が管理する
でも、貴方に触れられるのは嫌なの
人の体温が気持ち悪いの
だから
わたしには
恋愛は出来ないし
手づくりのご飯は食べれないの
コトリ
彼は優しく笑う
ねぇ
恋愛は肉欲だけじゃないよ
週に一回
恋文を書いて
コトリ
でいいよね
君は
人を惹きつける
君を見れるのは
僕だけでいい
ねぇ
コトリ
もし
僕が先に死にそうになったら
僕が先に
君を殺してあげるから
だから
君の
時間と
感情を頂戴
僕は
物書きだからね
君への
愛情を
恋する気持ちを
物語にして
快楽を得てきた
だから
コトリは
性欲の対象ではなくて
僕の一部で
僕を愛さなければいけない
だから
鳥かごを作ったよ
まずは
ずっと
僕と過ごすこと
僕以外の人を
心にいれないで
やっと君を捕獲したのに
逃がさないよ
僕は何年も
君への恋文を
本にしている
だから
それだけで満たされるんだ
もう逃がしてあげれないし
自由は
この鳥かごの中だけ
彼に連れていかれたのは
綺麗な無機質なマンションにあったかいお布団
好きな
飲み物
好きな綺麗なお花
好きな本
彼の
彼は
本気なんだなと
本気で私を逃がさないんだなって
彼は
人気の物書きだし
彼の本は
音楽を奏でるように
文字が歌っている
彼は私の好きな物と
頭を撫ぜてくれる
いいかい
君は今日からコトリ
死にたがりの君は死んだんだよ
それと
僕への
恋文は忘れないで
お互いに
不器用で
普通ではないかもしれない
だけど
死にたがりの私は
何時も傍に
いてくれた
彼に独占されて
もう
汚物を見なくていいのかと
生きる事へのバランスが
壊れた
天秤
鳥かごの中に入る?
寂しいがりの
執着の
狂気の愛
死ぬのも一緒
いいかも
誰かの役にたてて
死ぬ瞬間まで
優しい
彼のそばにいられる
時々
喫茶店に連れて行って貰えれば
不満はない
恋文の本をゆっくり
彼の本を読もう
恋文も書こう
好きなのは
本当に
独占して
されて
守られて
ずっとずっと一緒
狂気かも
クス
でも
いい
もう
綺麗なものだけに囲まれたい
彼は
綺麗な
物語を書く
そして
何年も続いている
作品の中に
コトリの取り扱いマニュアル
という作品があった
これは
彼の
恋文
そっと胸に秘める
暖かくて
心配性で
優しくて
独占欲の強い
コトリマニュアル
とても
しずかな世界
私はストンと
彼の中に落ちた
私はコトリ
いいかも
もう
嘘も聞かなくていい
優しい彼
昔から
私を守ってくれる
だから
貴方の恋文の返事を
私が恋文で書く
さくらんぼ
私と貴方は
真っ赤な燃え上がる赤い果実の
二つで
1つの
さくらんぼ
可愛いくも
幻想的な
花から
産まれた私たち
ねぇ
私と一緒にいるか
くさるしかない
さくらんぼ
誰にも食べられないように
2人で木から落ちて
ずっと腐敗して
死ぬ瞬間も
産まれ変わる瞬間も
一緒
約束
貴方は私で
私は貴方
永遠に触れられないけど
こんなに愛してる
ねぇ
私の片割れ
ずっとずっと
一緒にいようね
魂になっても
産まれ変わっても
永遠に
貴方を愛したい
これが初めての恋文
桜の花から出来る
さくらんぼ
私と彼にはピッタリで
桜の木の下には
私たちという死体が眠り
また
出会う
という意味を込めて彼に渡す
彼は
緑茶を飲みながら
ゆっくり読んで
私を振り返り
優しく笑う
コトリの感覚が好きだよ
私と彼との
不可思議な恋愛生活の始まり
猫の金平糖 ハナミ @muneta
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