読了です。
人と妖怪が紡ぐ恋の話というのが骨子の物語です。
雪二はブラック企業を辞したばかりのサラリーマン、片や愛を知らずに命を落として大悪霊と恐れられるほどに強大な存在になってしまった花さんこと桜花。
愛を貫く。口に出すことは簡単でも貫くことは難しい。ましてや、それが根本から違う存在となれば尚の事。
だからこそ、好いた相手のために命を賭けることが出来る男気を発揮できる雪二はお世辞なしにカッコいい!加えて取り巻く人々もまた愛や責任と己の信ずるものを貫くために全てを投げうつ覚悟が決まっているから更にカッコよく映る!
純愛、ホラーを始めに様々な要素が合わさり、キャラも魅力的な面白い作品です!!
本当の恋を経験し、愛し、愛されてみたかった、と、心のこりをして亡くなった、花ちゃん。
彼女が住んでいた桜邸は、その強い心のこりで、すっかり化け物邸になってしまっているようです。
愛を貫けないなら、殺す、という大悪霊になって、お祓いされてしまいそうな、花ちゃん。
可哀そうではあるけれど、恐ろしい彼女は、祓われる? 救われる?
そして、彼女のまえに現れたのは、優しい性格だけど、運に見放された、白鳥雪二くんだった。
恋愛、ホラー、人外、霊媒師、時にコメディ、など、面白い要素がぎゅっと詰まった、ドキドキワクワクの、エンターテインメント性の高い作品です。
ぜひ、お勧めします。
正直、この小説が埋もれるのがわからないくらいのデキだと思っています。私は、この小説みたいに「心情」に「心」に直接語り掛けてくるような、クラシックでいえば、ロマン派に近い読了感を味合わせてくれる小説が大好きで、この作品ははっきり言ってお気に入りです。
そして、主人公も味があっていいのですが、ないより注目はヒロインです。私も「この作品」のようなヒロインを目指して書いたのですが、私にはやり切れませんでした。しかし、ここに「私が求めていた一つの理想のヒロイン像」の答えがあって、この小説を読んで「びっくりした」、いや、正直に言えば「くやしかった」記憶があります。
とにかく、この小説は過小評価されすぎです。もっともっと、いろんな人に読んでもらって、正当に評価してほしい作品です。