二部第10話 変態、プールでようじょを抱きしめ、オワタ

あ……ありのまま、今、起こった事を話すぜ!


俺と秋菜の間からようじょが出てきた。


な……何を言ってるいるのか、わからねーと思うが、俺も何が起きたのかわからねー。


はあ?


でさぁ~ねぇ~。


シュー。


ゴォスゴォスゴォスゴォス!


心の中のザコシタイムを終え、少し冷静になれた俺はようじょを確認する。


「にはー」


うん、かわいい。

保育園くらいの子なんだが、うっすら緑がかった黒髪で頭にはカワイイ朝顔の花飾り。

ん?

花飾り、どっかでみたことあるような。

いや、その前にマズい事発覚。


こ の 子 全 裸


じあんじあんじあんじあん!


と、心の警鐘が鳴り響き俺はひとまず、ようじょを抱きかかえ、プールの水を一部変態させた色付きスライムをまとわせる。


「うわー、ぬるぬる~」


じあんじあんじあんじあんじあんじあんじあんじあん!


と、心の警鐘二重奏が鳴り響くがどうしようもない。

それに、もう一人ヤバいヤツがいる。


「こ、こどもが……!」


目の前の秋菜さんである。ようじょと俺を見つめ震えている。

変な事叫ばれたらアウトだぞ!


「と、とうとう、お兄ちゃんと私の子供が」


ちがう、そうじゃない!


お前、保健体育で何習ってたんだよ! と叫びたいが、それもまた変態兄の烙印を押されてしまうので、一旦、


なつき~、エヴァアにのれい~、エヴァアにのれい~。


でぇさあねぇ~。


シュー。


ゴォスゴォスゴォスゴォス!


ザコシクールタイム。

ちなみに、ゴォスって『ぶっ56す』って実は言ってるらしい。ヤバいね。


「秋菜、落ち着け」

「落ち着いてるわ、名前は秋と夏で秋夏しゅうかっていう名前でどう?」


どうじゃねえよ。


「ふざけんな!」


俺の言葉を遮るように、スモールマウンテンドキュンさんが、スモールマウンテンをライトハンドで隠しながらこちらに近寄ってくる。


「て、て、てめえ、今何かしやがったな! ゆ、許さねえからな!」


興奮しすぎてて、現状認識もままならない様子のスモールマウンテンドキュンさんが俺に飛びかかろうとプールサイドを蹴ってジャンプ。


すると、


「やー!」


かわいくおめめの間にきゅっとしわをつくっちゃったようじょちゃんが手をかざすと、プールの水がマウンテンのように大きく盛り上がり、スモールマウンテンと衝突。

ビッグマウンテンとスモールマウンテン、ぶつかれば勝つのはやはりビッグマウンテンだった。

スモールマウンテンドキュンさんは、そのままバイバイキューンした。

まあ、屋内プールで露出魔が気絶していれば連行されるだろう。

己の罪を数えるがいいさ。


それより、これで確定した。


頭に朝顔咲かせた『魔力』で出来たようじょ。


あの時、海のダンジョン【青蛸の巣】で出会ったあのようじょがこの子だ。

こちらを向いて笑っている。かわいい。


「にへへー、おなじおなじ、ぱぱとおなじー」


ぱぁぱぁ?


ですってぇ~。


終~。


ゴォスゴォスゴォスゴォス!


俺の心をゴォスゴォスゴォスゴォス!


ザコシイン俺の心は死んだ。


ぶっ56された。


そして、俺自身もぶっ56されるかもしれない。


屋内プール各所で修羅の気を感じるよ! 父さん!


いや、父さん、俺らしいよ!


はぁああああああああ!?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る