【台本】mimicle・第1回 告白ボイスコンテスト

mimicle/ミミクル

第1回 告白ボイスコンテスト

放課後、部活休みの日に部室に先輩を呼び出したヒロイン。


【ヒロイン】

「あっ! 先輩……!」

「あ、あの……来てくれて、ありがと。今日、忙しくなかった?」

「あっ、わたしは全然、ちょーヒマだし、帰っても《ミャー》(※猫です)と遊んでゴロゴロするだけだし」


「先輩と違って、受験まであと一年あるからねー。まだもうちょっとゆっくりしてたいなーって」

「先輩こそ、前に言ってたあそこの大学、どう? 大丈夫そ?(心配)」


   #先輩(どうだろう。これから頑張ればなんとか……)



【ヒロイン】

「ええー? そうなの? ちょっと、ちゃんと勉強してよー」

「(小声)でないと、夏休みのプールとかお祭りとかあきらめたの、意味ないじゃん」


   #先輩(何か言った?)


【ヒロイン】

「ん? ああ、なんでもないなんでもない(ごまかし)! そうだ、無事に合格したらご褒美あげちゃうから頑張って!」

「そうだなぁ……何がいいかな……」


   #少し考えて



【ヒロイン】

「ここはアレだよね、ベタだけど『わたしが何でも言うこと聞いてあげる券』!」

「ちょ、ちょっと! 何その興味ないわーって感じ! 何でもだよ? 何でも! もっとテンション上げて!」


「例えば? 例えば……一緒に遊びに行けるとか、その時にお弁当作ってあげる、とか。ほら、前に先輩言ってたでしょ、ふわふわのタマゴサンドが好きって」

「あとは……その……も、もっとなんか、こう、あるでしょ! ぎゅーってして欲しいとか、ちゅーしたいとか、その……」


「ええっ? 先払い!? しかも両方!? それなら頑張る!? え、え、でも、そんな急に……大体、それ、わたしでいいの……?」

「もー! わかった、わかったから!」


「ぎゅーって……こ、こんな感じ?」

「ん……先輩、あったかい……」

「ちょっと、目、閉じて。近いよ、恥ずかしい……」


「い、いくよ」

「……(ちゅっ)」

「…………もう、ずるい。こんなの……。絶対、絶対頑張ってよ? わたしも同じトコ行けるように頑張ってるんだからっ……じゃあねっ!」


   #去り際に


「……(ちゅっ)」



《了》

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