第4話
2022年11月26日の日記
転職活動中の人間でも土日は週末であるという感覚はあり、穏やかな気分になる。入社予定の会社もお休みだから、入社前に何かを催促してくるメールが絶対来ない。だから、突然来るかもしれないメールにも怯えず一日落ち着いて過ごすことができる。土日は比較的、頓服薬を飲まなくて済むようになっていた。朝起きてリビングに入ると誰もいない。子供たちはまだ寝ていた。缶コーヒーを開けて、寝室に入った。コーヒーを飲みながら子供たちの寝顔を見た。格別だ。7歳の小学生2年生の男の子と、6歳の幼稚園年長の男の子。二人ともあどけない顔をしてスヤスヤ眠っている。私は微糖のコーヒーを飲み干し、いつものようにマッサージチェアに腰かけた。リクライニングさせて全身マッサージを選択して揉ねつモードにしてマッサージをしていると、上の子が起きてきた。私の前にちょこんと座り、私の身体にもたれかかってくる。まだ私の所に来てくれる長男はイケメンなので私はイケメン君と時々呼んでいた。まだまだ可愛い。まず体全体を両手でぎゅっとする。スベスベのほっぺを手のひらで触り揉みしだき、感触を確かめる。そして、「これが首、これがおっぱい、これがおへそ、これがまだ毛の生えていない綺麗なおみ足」と体のパーツを一つ一つ言葉にしながら触る。パジャマのズボンの裾を上に引っ張って、膝を露わにさせて、まだ産毛のない綺麗な足に見とれる。そしてもっこりしたおちんちんもズボンの上から触る。長男は「やめろ、ブタゴリラ」と叫ぶ。その汚い言葉も私の興奮を誘う。次に、テレビを見ている長男の肩をたたく。私は振り返った上目遣いの可愛い顔を見たいのだ。でもテレビに夢中になっている長男は振り向かない。トントンと何度も指で呼ぶが振り向かない。そして諦めて、長男の横っ腹を人差し指でツンツン突く。すると長男はくすぐったくて「キャア」と鼻にかかる高い声を上げる。この高い声があどけなくて、ものすごく可愛い。
長男の後ろ頭を見ていると、吸い込まれるように、顔を近づけてそのまま頭頂部に顔をうずめる。そして匂いを嗅ぐ。シャンプーの良い香りがまだ残っている。我慢できずに、テレビを見ている長男を無理やり抱っこして寝室に連れて、押し倒し、足に馬乗りになって、両手を押さえて万歳の状態にさせて抵抗できなくして、ほっぺにブチュっとキスをする。体全体を触りまくる。女を揉みしだくように長男を可愛がっていく。私はいつものように「パパだからいいだろ?今しかできないからな」と口癖を言う。長男は「いや~」とか「やめろ」とか、また鼻にかかる高くて可愛い女の子のような声を出す。これが余計に私の可愛がりを加速させる。妻はこの姿を見て、小児愛好者とか痴漢とか、性癖がやばいとか、犯罪だよとか色々な事を言うが、全くそんなつもりはない。でも他人には変な風に見えるのだろうか。これもまた認知の歪みなのだろうか。私は他のパパも同じようなことをしていると思っていた。一方、次男は、可愛いキャラではないので、こういう事はほとんどしない。抱いてぎゅっをしたり、ほっぺにチュウはするが、長男に抱く女の子のような可愛さを次男には求めていない。次男は男っぽい。貫禄がある。すぐに戦いごっこをしかけてくる。キャアとう声を上げたりしない。まるで長男とは正反対だ。だから可愛がるというより、次男の好きな戦いごっこや、相撲ごっこをして遊んでいた。時には彼の一撃が私のみぞおちに入ったり、急所に当たって、怒りにまかせて叩いたりしてしまう時がある。そして彼を泣かしてしまう。長男には絶対そんな事をしないのに、次男にはそれが許されてしまうみたいな暗黙の了解があった。差別をしているわけではないし、二人とも可愛いのだが、可愛がりの仕方が違うのだ。ただ、傍から見れば明らかに、同じ子供なのに扱い方が違うと思うだろう。私は就労支援センターのカウンセラーに、これから携わることになる、ルートセールスで既存の顧客と良好な関係を築くための秘訣は?と聞いていた。カウンセラーは、どの会社とも同等にお付き合いをする事だと言われた。自分のたった二人の子供に対しても同等に扱えないのに、60社以上ある既存の会社に対して全て同等にお付き合いをしていくなんて無理ではないかと不安に思うのだった。
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