第34話⁂陽葵王⁂

 


 それでは『セルフィッシュ星』はその後どうなったのか?

 散々宇宙人に侵略されそうになって居たが? 

 

 王様は…何と…重要な職務もお忘れになり、マリリンの事で頭の中が一杯で、日夜宇宙船に乗りマリリン探しに余念のないご様子。


 それでも…他の星の宇宙船が、この星『セルフィッシュ星』の上空を傍若無人に埋め尽くしていると言うのに、そんな悠長な事は行ってはいられない筈なのだが、マリリンにのぼせ上った王様にも困ったものだ。

 

 そうそう…他の星の宇宙船は、その後どうなったのか?


 王様と妃が、宇宙旅行に出掛けてしまい『セルフィッシュ星』の拠点である「エンペラーシティー」の上空を傍若無人に埋め尽くしていたが、透明の膜で覆われている為に、侵入できなくて「シチズンシティー」に降り立った宇宙人たちは、困り果てて居る。


 何故かと言うと、重要なこの星の財産や機密資料などは全て「エンペラーシティー」に保管してあるからだ。


 それでも…財源を生み出す「シチズンシティー」を乗っ取ってしまえば良いのでは?


 それがである。

 王様が愛する女マリリンにのぼせ上り留守の間に、次期王である陽葵姫の発案でとんでもない事になって居た。


 それと言うのも……島流しに有った若くて美しい女性たちは、余りにも酷いカースト制の為に、とんでもない被害を受け苦しんでいた。


 そこで……若くて美しい女性たちを使って、この難局を乗り越えようと考えた陽葵姫。


 実は…陽葵姫は、嫌と言う程、色恋沙汰で身を滅ぼした両親を見て来たので、ピ~ンと来たのだった。


 どうも…風の便りに聞いた話では、地球と言う星のハリウッドに渡った妃が、金髪男子に狂った挙句の果て、財産を金髪イケメンにぼったくられて、大変な状態になっているらしい。


 更には……王様である父はマリリンに狂って、星存続の危機にも拘わらず放ったらかして行方知れず。


 そこで陽葵姫は考えた。

 生物とは不思議なもので色恋に狂ってしまえば、それに一直線になり周りが何も見えなくなる。だから……たとえ王様の命令だろうが、大臣の命令だろうが、何も見えなくなる。見えるのは……目の前にいる愛しい人の事だけ。


 そこで考え出されたのが、『セルフィッシュ星』を侵略しようとしている宇宙人は全てオスなので……これは願ってもない事。若くて美しい美女たちを使って骨抜きにしようと考えた。実は…運の良い事に、最下層の「最も差別される奴隷」たちは、揃いに揃って美女ぞろい。


『セルフィッシュ星』の「シチズンシティー」に降り立った、あちこちの星の宇宙人たちは、まるで盛りが付いた猫の様に、目がランランと光り、何か……今まで見た事が無かった卑猥な看板の店に吸い寄せられている様子。


 これは一体どういう事………?

 

 それは陽葵姫の発案なのだが、何とも大胆な事を考えたものだ。実は…急ピッチで勧められたエロイ看板の数々は、王様が宇宙手紙で送って来た写真と文章に綴られていたキャバクラ、ソ-プをパクったものだった。


 エロ大好きな父は、手紙の中に写真を入れてくれていたのだが、にやけた顏でエロイ看板の側で撮った写真を度々送ってくれていた。それだけ男の人はそんなお店が好きだという事だ。


 そこでで考え出されたのが「シチズンシティー」に有る工場を一時ストップして、ハイカラでエロ~イ看板を幾つも目立つように大々的に張り付け、男心をそそるような卑猥なものにした。要はショッピングモ-ル風俗?


 中に入ると、ショッピングモ-ル形式に色んなエロイ店や風俗が立ち並んでいる。


 何だか分からないが、オス宇宙人たちは、こぞってその風俗モールに吸い寄せられている。

 それでも…みんなが皆とは、どういう事……?スナックや風俗と言っても結構お金もかかるのに?

 

 いやいや~それが…どういう訳か…皆目がギラギラ光り尋常じゃない程血走っている。

「あ~ら~ん.:*:・'°☆🧡💕うっふ~ん💞.:*:・。うっふ~ん💞。.:*💛💛💛ブチュ💋もう💞」

「.:*:・'°☆🧡💕嗚呼アアア嗚呼たまらん\(◎o◎)/!」

 

 それが……どうも…どのお店も、どの風俗も無料らしい。


 陽葵姫の狙いは的中。(男とは困った者ヨ!しめしめ!)


 

 そして…新たな憲法が発令された。

 

 それは最下層の「最も差別される奴隷」若くて美しい美女たちには、願っても無い法律だった。

 その法律というのは、宇宙人を骨抜きにして、この『セルフィッシュ星』住民となり結婚するように仕向けることが出来た女性は、市民に格上げされ「シチズンシティー」の住民になれる憲法を発令された。


 この憲法のお陰で、この星は丁度働き盛りの若い衆が集まり、益々裕福な星となっていた。


 ◆▽◆

 時の流れとはあっという間で……実は…宇宙の訳の分からない異世界星に降り立った陽葵姫なので地球とは違い、時間の経過も少し早い……なので……現在の陽葵王の年齢は三十歳。


『セルフィッシュ星』の王である陽葵王は、侵略して来た宇宙人を、島流しにされた美女を餌に、色仕掛けで獲得させて、この星の住民にさせて巨大王国を築き上げていた。


 更には…とんでもない法律を制定されていた。

 それはどんなものかと言うと、なんと……とんでもない事を!


 それは……遥か彼方、地球と言う星のジャパン国を真似た、とんでもない法律の制定だった。


 それはズバリ!大奥だ。


【大奥とは:天下人となった徳川家康の子孫による世襲制を守るために、正妻である御台所(みだいどころ)のほかに、愛妾である側室(そくしつ)も数多く住んでいた絢爛豪華な場所。お世継ぎの確保は幕府の存続に関わる重大事項。だから将軍は一夫多妻が当たり前だった】



 確か…江戸時代初期から大奥らしきものは有ったらしいが……表立った大奥が出来たきっかけは……どうも…三代将軍徳川家光の男色好きが原因だったらしい。〈要はホモ!〉


 このままではお世継ぎが生まれないと心配した、あの有名な乳母の春日局(かすがのつぼね)が、家光の気に入りそうな女性を集めたのが大奥の始まり。なんと美女三千人も集めたと言われている。


 明治以前の日本はどちらかというと性愛におおらかで、男性同士の色事も武士のたしなみといわれたほど。

(んまぁ?ぶっちゃけ『男性同士の色事も武士のたしなみ』とかなんとか・・・カッコつけているが、要は血気盛んな男たちが、戦場での唯一の楽しみホモに走っただけの事😰???)


 

 ★アアア嗚呼……脱線しまくり😜それでは本題に入ろう!★


 あの陽葵王は完璧な善人だとばかり思っていたが、とんだ偽善者。

 実は…大奥を真似て、自分に都合のいい法律を制定なさった。


 一体どういう事?

 その法律とは……ともかくルックスは関係無い生え抜きの優秀な男と、優秀なイケメンを政治の表立った大臣や官僚に据え政治を行い、内密に裏組織、隠密部隊をお作りになっていた。

 そして…ルックスは関係無い生え抜きの優秀な男たちを、官僚に据えて、国を動かしていくプロとして働かせて、爪の垢ほどの不正も見逃さない様に徹底させている。

 それでも…監視の目がおろそかになってはいけないので、陽葵王が監視する代わりに、秘密裏に裏組織、隠密部隊を潜入させ監視させる徹底ぶり。


 そして…陽葵王の側近には優秀なイケメンをズラリと揃えて、外交に力を入れている。


(ウッフッフッフ~!💞。.:*💛💛💛💋)


 更には…どこかで聞いた響き……アアア嗚呼……あの、ミサイルを見境なくバンバン飛ばす、あの某国の『喜び組』ならぬ『幸福組』と言うイケメン集団をお作りになり、政治経済の発展のためのに接待として歌とダンスを徹底的に仕込み、他星からの外交や観光に力を入れている。


 付け焼刃もいいとこ。【その場しのぎに、一時的に知識などを覚える事】

 それが……どうも…KPOPをパクったらしく……全く浅はかな?


 東方神起じゃなくて西方神起 や『防弾少年団BTS』じゃなくて『爆弾愚連隊BGT』などをお作りになったご様子。


 まぁ?時間が無かったとはいえ、どう見ても箸にも棒にもかからない不出来な歌唱とダンスだが…他星の女政治家たちからは、すこぶる評判が良い。


 特に『爆弾愚連隊BGT』などは、そこらのガラクタ不良を集めただけなのだが、

他星にはこれほどガラの悪い輩はいないらしく、物珍しさも手伝って爆発的人気を誇っていた。

 な~んか?暴走族のようでも有り、ハードロックを真似たような奇抜な化粧を施したグル-プ。


 まぁ、名立たる大御所(Kissキッス)(ボン・ジョヴィ)(エアロスミス)(X japan )(デーモン閣下)をパクッているのだとは思うが、おおよそ話にならない。


 それでも…おば様達にすれば完璧だと近付き難いが、このくらいだと気楽にヒモに出来る強みがある。

 だって~!ルックスは抜群なので……こんな事も有って、手軽に愛人が手に入るとヤリ手女政治家たちや女経営者から評判上々。



 そして…この国では美人は、今尚、他星の有能な人材集めの道具とされていて、他星の有能な人材を引っ掛け結婚出来た者だけが「シチズンシティ」の住民に格上げされている。


 だから……多くの美人は今尚、離れ小島で防波堤の様なもので隠された存在になって居るが、他星の政治家や権力者が訪れた時だけは解放されて「シチズンシティ」の

ハイソサイテーエリアでの、晩餐会の席に招かれている。それは……イケメンたちも当然の事ホスト役として招かれている。


 男の子たちも女の子たちも、この「シチズンシティ」の生活は以前にも口が酸っぱく成る程説明したと思うが、あの演歌界の大御所吉幾〇の大ヒット曲『おら東京さ行ぐだ』を地で行く様な惨たんたる状態「テレビも無ェ!ラジオも無ェえ!クルマもそれほど走って無ェ!ただ、ただ、奴隷のように黙々と産業、家畜、農作業に精を出している。こんな生活が待っているだけなのだ。その為、掴んだチャンスはどんな事が有っても絶対逃がしたくない。


 だから……ババアでシワクチャだろうがお構いなし、ハゲ、デブ上等、ともかく他星の政治家、権力者を、騙して捕まえてしまえば、それこそ「エンペラーシティー」の住民になる事も夢じゃない。


 だから……必死だ。

 まぁ~!もっと言うなら権力者でも、とびっきりの高齢者を騙して結婚する事を狙っている。

 要は死んでしまえば遺産は転がり込んで来るは、地位は格下げにならないはで、良いこと尽くめ。


 まぁ陽葵王もとんだ女になってしまった事。

 結局権力を手中に収め全てを我が手に?


 アアア嗚呼……何という事を……こんな子ではなかった筈なのに……何とも嘆かわしい。


 アッ!……それよりも陽葵王は、結婚はしたのだろうか?




 






 










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