第17話⁂陽葵姫の活躍⁂

 


 王様何やら思案中。 


(妃はワシより秀でていて、ワシの立場が丸つぶれじゃ。いつも無能の烙印を押されて、面目丸つぶれで辟易しておったわ。あんな険のある、とうのたった女なんか要らぬわ!一方のマリリンはチョットバカだけど、ウッフッフッフ~何とも可愛い!あのマリリンこそワシの妃に相応しい。それと……なんといっても……あのオッパイとボディ、ウッシッシッシ~!そそられるわ~!)


 ある日の事、王様は妃と真剣な面持ちで話し合っている。


「妃お前の噂は、かねがね聞いておるぞ。研究を盾に散々男狂いをしている噂は、誰とは言わぬが、お付きの者から聞いておる。北部に位置する重要な仕事の拠点ダーマンでの研究だと言っておきながら、イケメン軍団とやらを作り毎夜毎夜の浮気の数々許しておけぬ。お前なんぞ!妃でも何でもない。今すぐ出ていけ!」


「あ~ら?王様よくそんな事が言えますね!あなたこそ何人もの愛人を抱えてのご乱心の数々、よ~くそんな事が言えたものね。第一この星がここまで栄えたのは誰のお陰かしら?わたくしが首相として、この星を盛り立てて来たからではありませんか?そして…くしくも前の妃がお亡くなりになり、わたくしが妃となった今、この星の住民に王様とわたくし妃のどちらがこの星に必要か、問おうではありませんか?」


「オウ!良かろう。この出しゃばり女が!お前のせいでワシは無能の烙印を押され散々辛酸をなめさせられてきたわ~。第一能力が無くても血族が第一に優先されるから、幾ら才知に満ち溢れているからと言っても、所詮平民出身のお前ではワシが生きている限りは、王にはなれぬわ~ワッハッハッハ~!」


(クッ クソジジイ目が————ッ!)地団駄を踏んで悔しがるお妃。


 このフラワーフェアリー星は妃側と王様側に二分して戦争に直面しそうな勢いだが・・・・?


 ◆▽◆

 それでは「セルフィッシュ星」は、その後どうなったのか?


 実は…愛するマリリンを流し目ロバ-トに奪われて、怒り心頭の「セルフィッシュ星」の王様は、血眼になって流し目ロバ-トとマリリンの行方を追っている。


 それでも…他の星の宇宙船が、この星『セルフィッシュ星』の上空を傍若無人に埋め尽くしていると言うのに、そんな悠長な事は行ってはいられない筈なのだが、マリリンにのぼせ上った王様にも困ったものだ。

 

 そうそう…他の星の宇宙船は、その後どうなったのか?


 王様と妃が、宇宙旅行に出掛けてしまい『セルフィッシュ星』の拠点である「エンペラーシティー」の上空を傍若無人に埋め尽くしていたが、透明の膜で覆われている為に、侵入できなくて「シチズンシティー」に降り立った宇宙人たちは、困り果てて居る。


 何故かと言うと、重要なこの星の財産や機密資料などは全て「エンペラーシティー」に保管してあるからだ。


 それでも…財源を生み出す「シチズンシティー」を乗っ取ってしまえば良いのでは?


 それがである。

 王様が愛する女マリリンにのぼせ上り留守の間に、次期王である陽葵姫の発案でとんでもない事になって居た。


 それと言うのも……島流しに有った、若くて美しい女性たちは、余りにも酷いカースト制の為に、とんでもない被害を受け苦しんでいた。


 そこで……若くて美しい女性たちを使って、この難局を乗り越えようと考えた陽葵姫。


 実は…陽葵姫は、嫌と言う程、色恋沙汰で身を滅ぼした両親を見て来たので、ピ~ンと来たのだった。


 どうも…風の便りに聞いた話では、地球と言う星のハリウッドに渡った妃が、金髪男子に狂った挙句の果て、財産を金髪イケメンにぼったくられて、大変な状態になっているらしい。


 更には……王様である父はマリリンに狂って、星存続の危機にも拘わらず放ったらかして行方知れず。


 そこで陽葵姫は考えた。

 生物とは不思議なもので色恋に狂ってしまえば、それに一直線になり周りが何も見えなくなる。だから……たとえ王様の命令だろうが、大臣の命令だろうが、何も見えなくなる。見えるのは……目の前にいる愛しい人の事だけ。


 そこで考え出されたのが、『セルフィッシュ星』を侵略しようとしている宇宙人は全てオスなので……これは願ってもない事。若くて美しい美女たちを使って骨抜きにしようと考えた。

 実は…運の良い事に、最下層の「最も差別される奴隷」たちは、揃いに揃って美女ぞろい。


『セルフィッシュ星』の「シチズンシティー」に降り立った、あちこちの星の宇宙人たちは、まるで盛りが付いた猫の様に、目がランランと光り、何か……今まで見た事が無かった卑猥な看板の店に吸い寄せられている様子。


 これは一体どういう事………?

 

 それは陽葵姫の発案なのだが、何とも大胆な事を考えたものだ。実は…急ピッチで勧められたエロイ看板の数々は、王様が宇宙手紙で送って来た写真と文章に綴られていたキャバクラ、ソ-プをパクったものだった。


 エロ大好きな父は、手紙の中に写真を入れてくれていたのだが、にやけた顏でエロイ看板の側で撮った写真を度々送ってくれていた。それだけ男の人はそんなお店が好きだという事だ。


 そこでで考え出されたのが「シチズンシティー」に有る工場を一時ストップして、ハイカラでエロ~イ看板を幾つも目立つように大々的に張り付け、男心をそそるような卑猥なものにした。要はショッピングモ-ル風俗?


 中に入ると、ショッピングモ-ル形式に色んなエロイ店や風俗が立ち並んでいる。


 何だか分からないが、オス宇宙人たちは、こぞってその風俗モールに吸い寄せられている。

 それでも…みんなが皆とは、どういう事……?スナックや風俗と言っても結構お金もかかるのに?

 

 いやいや~それが…どういう訳か…皆目がギラギラ光り尋常じゃない程血走っている。

「あ~ら~ん.:*:・'°☆🧡💕うっふ~ん💞.:*:・。うっふ~ん💞。.:*💛💛💛ブチュ💋もう💞」

「.:*:・'°☆🧡💕嗚呼アアア嗚呼たまらん\(◎o◎)/!」

 

 それが……どうも…どのお店も、どの風俗も無料らしい。


 陽葵姫の狙いは的中。(男とは困った者ヨ!しめしめ!)


 

 そして…新たな憲法が発令された。

 

 それは最下層の「最も差別される奴隷」若くて美しい美女たちには、願っても無い法律だった。

 その法律というのは、宇宙人を骨抜きにして、この『セルフィッシュ星』住民となり結婚するように仕向けることが出来た女性は、市民に格上げされ「シチズンシティー」の住民になれる憲法を発令された。


 この憲法のお陰で、この星は丁度働き盛りの若い衆が集まり、益々裕福な星となりそうな気配だ。














 






 

 

 

 





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