第16話⁂誤算⁂




 クロ―ン作りは、皮膚や筋肉などの体細胞を培養するらしいのだが、早速、ある日健康診断と称して、お妃に呼び出された流し目ロバ-トは、何かしら……血液や皮膚組織を採取された。


「ロバ-ト、私はね、あなたと結婚して、このフラワーフェアリー星の女王として、この星を盛り立てて行きたいの。あなたは女王の夫でロバ-ト王配の地位が約束される事になるの。けれど邪魔な王様が長寿の為に、ありとあらゆる健康管理に余念が無いのよね。これでは……私よりも長生きしそうなのよ。そして…このフラワーフェアリー星は、警察が凄い権力を握っているので、殺害でもしようものなら、お妃とて重い刑罰が待っているのよ……ましてや王様を殺害したともなれば……死刑間違いなし!あんなデブでブ男、サッサとあの世送りにしたいのよ。それでね、殺しても一切の証拠を残さない薬品を開発したのだけれど、この薬それはそれは苦くて不味くて卒倒しそうなぐらいに不味いのよ。何とか王様に、この薬を飲ませてやって欲しいの。お願い!」


 流し目ロバ-トは思案中。

(ウウウウン?こんな、けんのある婆さん妃と結婚なんて有り得ない……嗚呼?だが待てよ~?そうだ。こんな二十五歳も年上の胡散臭い婆さんなんか、結婚しても、その内に死ぬだろう。ウッシッシッシ~!そういえば……光り輝くお美しい、あの末のお姫様スプリング姫を上手く騙して結婚という手もある。その為には、まずあの王様を何としても殺害しなくては?……そうだ!マリリンを使って色仕掛けであの不味い薬を……ウッシッシッシ~!飲ませよう?……だが、今ではスッカリ魅力も無くなって……あれでは話にならない……ウウウウン?困ったものだ。アッイヤ?良い案が見つかった。そうそう…そうだ。妃にメンテナンスを頼めば……)


「お妃様分かりました。だが?一つ相談があります。マリリンと言う女性を全面改造してやって欲しいのです…ちなみに王様は、どんな女性がお好みですか?」


「嗚呼、ケビン王は、地球と言う星の、あの麗しきオードリ・ヘップバ-ンが大層お好きなようじゃが?」


「ああああああ、ダメだ?容姿が崩れた事によるストレスで激太りしてしまって……急には瘦せれない。他に誰かいませんか?」


「嗚呼、おったわ!おったわ!ジャパニーズの往年の名女優で八千草薫を大層気に入っておったわ」


「オオオオオオ、何とも対照的な、それこそ……もっとダメです。あんなお色気ムンムンで、おつむ空っぽのマリリンでは……」


「困ったわね?」


「まぁ~?妃に任せます。王様の事は、一番ご存じなので……」


 流し目ロバ-トは、王配になって行く行くは、スプリング姫を我がものにと願っているが……一方の妃は。とんでもない事を考えている。

 

 ◆▽◆

 足早に元居た家に帰った流し目ロバ-トは、早速マリリンに事情を話している。


「マリリン元のように美しくなりたくないか?」


「あなた何言ってんの~?そんなお金がどこに有るのよ?散々散在しておきながら……」


「嗚呼、悪い悪いへへへ😜あのさ~?美しくメンテナンスして貰う代わりに……チョット、頼みが有るのだけれど?へへへ😁この薬を王様に飲ませて貰うだけで良いんだよ」

「エエエエエエ————ッ!私が王様に会えるの?」


「へへへ😁当然さ!」


 こうして王様好みの女性に生まれ変わったマリリン。


 ◆▽◆

 早速、美しく生まれ変わったマリリンは、ケビン王の住む御殿に招かれた。

 仕事内容は王様秘書の肩書だが、要は体のいい愛人


 早速、王様の下部としての生活が始まった。

 だが、思いも寄らない事態が起こる。


 王様の好みを熟知していた妃が整形を施したのだが、これが思わぬ誤算を産む事となる。

 マリリンを一目見るなり王ケビンは、雷に打たれたぐらいでは済まない、それこそ、この宇宙が爆撃を受け破裂したぐらいの衝撃と興奮に打ちのめされた。


(💛💛💛嗚呼アアア嗚呼🎶.:*:・もう💞。アアア嗚呼\(◎o◎)/もう😍もう😍ダメだ😍😍😍立っている事すら出来ない💛💛💛ああ立ちくらみが.:*:・'°☆🧡立ちくらみが.:*:・'°☆🧡)


 ”ふらふら フラフラ ふらふら”


 ”ビビビビビビ⚡ ビビビビビ⚡⚡ ビビビビビビ⚡⚡⚡ ビビビビビビ⚡⚡⚡⚡”

 手の施しようも無いほどの稲妻に襲われ、二進も三進もいかない状態に追いやられていた。


 一方のマリリンも、完全に目が覚めて、とんだ悪巧みにふけっている。


(もうイケメンはコリゴリ!贅沢と美貌を維持するためには、何よりも先立つものが必要。高齢のヨボヨボ爺さんだろうが、チンチクリンだろうが、ぶ男だろうが、関係ない。金!金!金!金!金!金!ウッフッフッフ……そうだ?この爺さんを、たぶらかして女王の座をこの手に!)


 一方のケビン王も(ホイットニー妃はワシより秀でていて、ワシの立場が丸つぶれじゃ。いつも無能の烙印を押されて、面目丸つぶれで辟易しておったわ。あんな険のある、とうのたった女なんか要らぬわ!一方のマリリンはチョットバカだけど、ウッフッフッフ~何とも可愛い!あのマリリンこそワシの妃に相応しい。それと……なんといっても……あのオッパイとボディ、ウッシッシッシ~!そそられるわ~!)


 これは大変、話が思わぬ方向に向かってしまった。

 お妃様と流し目ロバ-トには、とんでもない結末が?


 更には……「セルフィッシュ星」の王様たちが、血眼になって流し目ロバ-トとマリリンの行方を追っている。


 一体どうなる事やら⁈








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