第5話⁂骨抜きにされた陽葵姫⁂


 

 連日連夜の会議でスッカリ帰宅時間が遅くなった陽葵姫。

 

 そこに現れたのが誰有ろうライフル射撃の達人で、尚且つ、何とも妖艶で魅力的な男ロバ-ト。何かしら……異様なまでの流し目に、何か……?大きな裏がありそうだ。


 あの有名俳優「おス○様」が流行らせた武器のひとつ流し目をパクリ、ぎょろぎょろ、これでもかと言わんばかりに、陽葵姫に異様なまでの流し目を送りながら現れたロバ-トの目的、それは一体何なのか?


「陽葵姫今宵は月灯りに照らされて……一層美しゅうございます」

 甘い言葉と異様なまでの流し目ビームに、すっかり酔いしれて、ふらふらな陽葵姫。何とも胡散臭い男。


「あああロバ-ト、最近よくお見掛けしますこと……さあ我が家へどうぞ」


 そこに侍従の爺やが現れ、つぶやいた。


「お姫様なりませぬ。敵国の住人などと親しくしては!」


「爺や!それは言い過ぎというもの。別に危害を加えられた訳でも無いのに、最近では我が『セルフィッシュ星』製品のライフル、ピストルが飛ぶように売れているのを知っているの?」


 ※ライフル「ドキュ—ン」

  ピストル「バン!」


「嗚呼それは存じませんでした。これは失敬!」


 するとそこに早速、首相の子息で、次期政財界期待の星との呼び声の高い、高学歴のイケメン、エドワ-ド公が現れた。


「陽葵姫それはいけません。目先の事ばかりでは駄目です。あやつロバ-トの狙いはただ一つ。この星を侵略する事です」


 すると爺やが透かさず話に割って入った。


「あああエドワ-ド公、そんな大きな口を叩ける身分ですか?……色々な噂はとっくにワシの耳にも入っておるぞ。最近、陽葵姫に接近しておるようじゃが、エドワ-ド公……そなた…めっぽう女癖が悪いと聞いておる。何人もの若い娘に結婚を餌に甘い言葉を囁いて妊娠させて、その挙句行方をくらますと言う常套手段を取っているそうだな?子供が何人もいると聞いておる。その話はどう説明してくれるんだい?」


「嗚呼何とも……滅相も無い!ソソ そんな事は……そんな事は、絶対に有りません」

「言い訳は許さない。女性たちの証言も取れている」


「そんな尻軽女の言う事を真に受けておられるのですか?それこそ迷惑千万な話です。証拠を持って来て下さい。証拠を」


「おお!分かったわ。今に見てオレ!」

 

 こうして、この日はエドワ-ド公が引き下がり帰って行ったが、実際にはエドワ-ド公は、そんな無責任な女たらしなのか?


 

 そしてもう一人『シチズンシティー』出身の俳優で天下一のイケメンと称されている男山崎流星が、何だかんだと口実を付けて陽葵姫邸に、出入りするようになっている。


「陽葵姫が食べる事が何よりもお好きと聞いて、早速ネットで検索して地球と言う星の、たこ焼きに目が行き作って来ました。何でもジャパンと言う国の食べ物らしいですよ?」


「嗚呼!有難う。じゃぁ早速食べてみますわね”パクリパクリ”あああああ何か……何か……懐かしいというか?何というか?美味しくて……不思議な味」


 すると……陽葵姫の目が、何やら💞♥🥰😍ラブラブなハ-ト型になり、山崎流星を熱い眼差しで食い入るように見つめ出した。変わり身の早い陽葵姫。あれだけ流し目ロバ-トにゾッコンだったのにどういう事?


 余程このたこ焼きに思い入れがあったに違いない。


 陽葵姫の様子を見て爺やが、これでもかと……益々山崎流星を持ち上げている。

 何故山崎流星を持ち上げる必要が有るのか?


 

 実は…この二人「シチズンシティー」のそれも同じ地区出身らしいのだ。

 そして更に詳しく調べて分かった事だが、どうも親戚で甥っ子らしい。


 だから……爺やはいつも姫の側にいる身の上だから、陽葵姫の事は熟知している。


 親戚筋を婿養子に取り立てて、今まで侍従の立場に甘んじていたが、一気に首相の座に君臨して権力を思うままに、支配しようと言う狙いなのか?益々分らなくなってきた。


 ◆▽◆

 それでは何故……陽葵姫はタコ焼きに異様に反応したのか?


 それは…食いしん坊の陽葵姫は転生したと言えども、細胞の一部にジャパンの味が染みついていて、たこ焼きの味に深い望郷の念がある。度々和食を振舞ってくれる山崎流星に最近はゾッコンのご様子。


 一気に山崎流星がお婿さん候補最有力に躍り出て来たのだが、一体どういう事?


 あんなに、イケメン流し目ロバ-トに、メロメロだった筈なのに………。

  

 やはり……人間は色気よりも食い気という事なのか?


 それはそうだろう。爺やから、婿養子になる為の手練手管を嫌と言うほど叩き込まれている山崎流星。


 和食に異様な反応を示す陽葵姫に、和食をこれでもかと言わんばかりに作って、陽葵姫に尽くしまくっている山崎流星。例えばお寿司やすき焼き、お好み焼き、筑前煮等々。


 この腹黒い爺やは、姫の行動をつぶさにキャッチして、山崎流星に指示を出していた。


 実は…陽葵姫はこの邸宅に来てからと言うもの、暇さえあれば地球のそれもジャパンの和食を、ネットで見ているのを度々目撃していた爺や。


 そこで……疑問に思った爺やが、陽葵姫に聞いた。

「何故ジャパンのそれも和食ばかりに、興味をお持ちなのですか?」


 すると……陽葵姫が言った。

「な~にか?この和食コーナ—の画面を見ていると、落ち着くっていうのか、気持ちが穏やかになるっていうか、すっごく幸せな気分になれるのよね?」


 こうして我が星きってのイケメン山崎流星に、入れ知恵を付けて料理を作らせていた。


 だから最近はスッカリ山崎流星に軍配が上がっている。

 一体誰が、最終的に陽葵姫のハ-ト💖💕を掴み、この星を支配することが出来るのか?





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