第6話 時雄君(前編)

その事件は新入社員の歓迎会等がある4月に起きました。


被害者は25歳の男性会社員です。

男性は駅近のマンションに家族と暮らす、ごく普通の会社員で、普段は電車とバスで通勤をしています。


その為、その日も会社から家に帰宅する為に毎日、通る帰路を歩いていました。


ただ、その日は新入社員の歓迎会があり、酔った状態での帰宅でした。


男性はコンビニ近くにある、いつものバス停でバスを降り、コンビニに立ち寄りトイレを使用するとタバコを1箱、買ってからコンビニを出ました。


コンビニを出ると自宅へ向かう道には高架下のトンネル(長さ5m程度)があります。


そのトンネルを出るとすぐ自宅が見えてきます。

しかし、1週間後、男性の妻から警察署に捜索願いが出されました。


歓迎会の日から1週間が経過していて連絡も付かず、帰宅していないばかりか、会社にも来ていないとゆう話しだったのです。


警察は、すぐに捜査に入り、スマホの通話履歴と駅、コンビニの外監視カメラ等を調べていきました。


その結果、1ヶ月後、男性がコンビニを出た後、自宅方向に向かって歩いている事が分かりました。そして、スマホの位置情報から、高架下のトンネルで情報が途切れている事が分かりました。


そんな中、警察署に1本の電話が入りました。

それは高架下のトンネル内でスーツ姿の人が倒れているとゆう通報電話でした。


警察と救急が高架下へ駆けつけると、そこには体重20キロ程度になり餓死している大人の遺体がありました。


検死の結果、捜索願いが出されていた男性だと分かり、死因は餓死だった為、警察は首をかしげ、事件と事故の両面で捜索が開始されました。

なぜなら、男性の財布には10万円も入っていて、暴行跡も何もなく、人通りも少なくはない高架下のトンネル内で1ヶ月後に発見されたからです。現場に行った警察はツブヤキました。


「ご遺体さんは、何で今日まで発見されなかったんだ?ここで餓死したなら普通、もっと早く見つかるだろ?」


「誰かが運んで来たんですかね?」


と。


そして、後の捜索で私生活の様子についても妻と子供との関係も特に変わった事は無く、仕事の様子にも変な点は無かった事も分かりました。


               後編に続く














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