第3話 君のこと
「何かを成し遂げる人は
誰も経験しなかった苦しみを味わうってことなのさ」
僕の冷たい手を取って君が言う
僕の尊敬してる君
僕の羨んでいる君
出来れば君になりたかった
そう思っている僕がいる
君の確信 君の輝ける笑顔
どれも持っていない僕
君が眩しく映ることは仕方がないさ
「僕が羨ましいだって?
君はおかしなことを言う
僕は君が光って見える
君の未来が光って見える」
どうしてそんなことを言うんだい
僕は不安そうに聞く
「君が僕になれないように
僕は君にはなれないよ
僕が知らない世界があって
僕が知らない道がある
僕の知らない人と会う
僕の知らない悩みがあって
僕の知らない喜びが
君の未来にはあるよ
僕には出来ない数々のことが
君の使命ってやつなんだ」
僕はそんなの知らなくたって
知ってることだけ起こればいいよ
君を怒りで見つめてしまう
「怖がることなんて何も無いさ
君には勇気があればいい
壁を破る知恵があればいい
歯を食いしばる忍耐があればいい
ほとばしる 生命の力があればいい」
僕にはそんなものないよ
弱虫で
臆病で
情けない
頭だって良くないよ
「大丈夫
君は全部もってるよ
ただ、信じれないだけなんだ
僕が持っているそれらはね
君にも備わってるんだよ」
そういうと
僕の胸をぽんと叩いた
「今、鍵を開けたからね
大丈夫
君を信じて歩いていってくれ
そして、僕がやったように
誰かの鍵を開けてくれ」
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