君と終えるこの世界

星野「私はね。君が死ぬ未来から来たんだ」

俺 日比谷 連(ひびや れん)は幼馴染 星野 雫(ほしの しずく)から衝撃的な事を伝えられたのだった。


日比谷「どういう事かな?」

何故か、俺は星野からの言葉を冷静に聞けた。

星野「えっ?私結構やばいこと言ったのに反応薄くない?」

星野はだいぶ焦っているようだ。そんなに驚く事か?

日比谷「というか、本当にどういう事だ?俺が死ぬ未来何ていくらでもあるだろう?」

星野「そうだけど」

星野は今まで悩んでいたのが馬鹿みたいだ。と言いたげな表情になった。

星野「連はね、、、今日から三日後に車にはねられて死ぬの」

星野は呆れていた。確かにもっとシリアスになる話だろうな。でもな、星野が死ぬ未来を見た俺にとって自分の死なんて、、、

星野「連はね。私を守るようにして死んだ。そして、自分の死を受け入れてたんだ。お前を守れたらそれでいいって」

あぁ、うん。なるほど。

日比谷「つまり、未来星野は俺が死なないように守ってくれると?」

少しふざけたが星野は苦しそうな表情になりながら

星野「駄目だったよ」

日比谷「えっ?」

今日一番の同様かもしれない

星野「もう数えれないぐらい、試したの、でも、、、」

星野が涙を流していた。俺はそんな星野を抱き寄せた

日比谷「そうか。お疲れそしてありがとう」

少しだけ星野の気持ちは理解ができる。俺も星野が死ぬ姿だけを見ていたらきっとこの未来にはこれなかった。だからこそ

星野「う、、ん。ごめんね。ごめんね」

苦労したからこそ褒められるとうれしいもんだ。


日比谷「落ち着いたか?」

星野「うん。ありがとう」

さて

日比谷「星野から聞いたからには対策しないとな」

星野を助けたら次は俺の番か。しかも、救ったはずの星野を苦しめて。

星野「え?」

日比谷「え?」

何がそんなに疑問なのか俺には分からない

日比谷「だって、今まで一人でずっと俺を助ける事を考えて実行して無理だったんだろ?なら、次は俺に相談して考えようぜ。一人でやるより二人でやる方が出来る事は増えるだろ?」

俺の言葉を聞いた星野は

星野「はははは」

泣いていたさっきとは魔反対のような笑顔を見せてくれる星野

星野「はぁ。うん。じゃあ、お願いしようかな連を助けるための手伝いを」

そして、この日から俺 日比谷 連を助ける方法探しが始まった。

星野を助けた時の経験上俺は星野が覚えている限りの俺の死に方を聞いた。

そんなこんなで俺が死ぬ日がやってきた。

最初、常連様車にはねられる。次、上から鉄骨が、、、

星野「連、何か楽しんでない?」

日比谷「いやいや、俺の死が関わっているのに楽しんでいる訳ないだろう」

午前中最後のまたまた登場の車に気を付けつつ俺は学校に入った。まるで、答えを知っている推理ゲームのような展開だが、、、まぁ気にするだけ無駄だろう。何故なら実際未来星野から答えを教えてもらったのだから。

日比谷「なんで学校の中は安全なんだ?」

星野「安全ではないよ。私が事前に防いでるだけ」

俺の素朴な疑問は一瞬で解かれた。俺も星野を助けていた時のことを思い出し比べ何というか守られているというのはむず痒さを感じる。

学校が終わり俺たちは早々と帰路についた。

星野「あっちの道は危険だからこっちの、、、」

星野とT字路に着き家とは遠回りの道を指してきた。しかし、星野が指をさした先には

日比谷「星野あっちは駄目だ」

通り魔の男がいた。しかも、あの時会った時よりやばさが感じる。

星野「え?でも、、、」

日比谷「あっちに行ったら確実にどちらか死ぬ」

俺は冷や汗をかきながら星野に言う。星野も俺の言うことが伝わったのか危険と言う道の方へ歩き出した。


星野「、、、」

日比谷「すまんな。星野」

星野は何かにおびえている。

星野「ねえ。連。少し屈んでくれるかな?」

突然星野がそんな事を言ってきて俺は素直にいう事を聞いた。

日比谷「星野どうし、、、」

しゃがんだ俺の元に飛び込み俺に口づけをした。そして、

星野「今までのループで一番楽しかった。ありがとう」

涙を流し笑顔で俺の目を見た。

そして、、、、


あぁ。やっぱり本というものはいいな。作者一人一人の考えが伝わる。

俺が本を読んでいると視界の端っこで何かがはねている。俺が本から目を離すと一生懸命高いところにある本を取ろうとジャンプしている女子の姿があった。俺は本に戻ろうかと思ったが視界の端で跳ねられるのはどうにもイラつく俺は女の子のもとへ行こうとすると本に手が当たった。そして、本が落ちかけた

「あぶねえぞ‼」

俺は急いで彼女の元へ行き本から彼女を守った。

「馬鹿してんじゃ、、、」

俺が彼女に怒鳴ろうとすると

「ありがとう~~」

涙を流しこちらに抱き着いてくる女子の姿があった。これが俺の初恋だった。


日比谷「ん、、、ん?」

体中が痛い。嫌、熱い。あぁ、あの時建物が爆発して、、、周りにいた人が騒いでいる。そして、俺の目の前には星野が倒れている。俺は最後の力を振り絞り彼女の手を、、、。


星野「連、連!!起きて‼」

星野の声が聞こえる。俺は目を開けた

星野「おはよ。連」

いつものように星野が起こしてくれる。ここは天国だ。

日比谷「おはよ。なんだか懐かしい夢を見たよ」

星野「そっか。面白かった?」

星野は笑顔で俺に聞いてくる

日比谷「そうだな、、、。面白かったさ」

星野「そっか」

俺と星野は実に幸せだった。

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