俺の望んだこの世界

日比谷「やったのか?」

俺は彼女の安否を確かめ

日比谷「ようやく、終わった」

全てがようやく終わった。


俺の名前は日比谷 連(ひびや れん)幼馴染を守るためにタイムリープの能力が手に入った高校生である。

俺は今幼馴染の星野 雫(ほしの しずく)と一緒に学校へ向かっていた。彼女は

星野「でね。アヤがね」

とニコニコと友達と昨日あった事を話していた。そして、彼女は横断歩道にはいり車にはねられかける。俺はそんな彼女を引っ張り守った。

こんな感じの事をもう十回以上行っている俺は正直ゲーム感覚である。唯一俺が慣れる事が出来ないのは。

星野「あ、ありがと」

彼女のやんわりとした笑顔ぐらいであろう。

そんなこんなで学校に着いたはいいがこの後もイベントが豊富である。弁当のおかずを取られたりバケツの水を被ったり等不幸なイベントである。これは彼女が死ぬほどのものではないが後々にこれがあると無いとではだいぶ変わってくる。

最後に下校の時。この時には通り魔の男がうろうろしている。何故か道を変えても現れるので防ぎようがない。ので、星野を静かにさせ横を普通に通った。

本当にゲームのように俺が語っているが実際にはそんな生ぬるいものではない。タイムリープするおかげで星野は元に戻っても俺の記憶には様々な死に方をした星野の姿がある。血の匂いや星野が苦しそうなところを見て俺は何回も吐いた。でも、俺の心は彼女の笑顔を見るたびに頑張ろうと思えた。

そして、ようやく今日(ずっと同じ日だが)星野を家へ送り俺は星野を守るための全工程を終えた。

俺は家に帰り一息ついた。

日比谷(本当に長い一日だった)

安心したら疲れが一気に解放され俺の眠気を誘った。俺は明日にはもうすべてが終わりこのタイムリープの能力がなくなっていることを祈りながら俺は目を閉じた。


ピピピピッ!ピピピピッ!

日比谷「んーーー」

いつも地獄のように聞いていたアラームはもう苦には感じない。俺は体を起こしリビングへ降りた。

母から朝食を受け取りテレビをつけた。

アナウンサー「今日は6月19日 昨日と違い天気が、、、、」

テレビの日付も進んでいた。

母「何かいい事でもあった?」

母がニヤニヤしてこちらを見てきている。

日比谷「なんでもないよ母さん」

俺はさっさと食事をすまし学校の準備を持ち外に出た。

外に出ると

星野「おはよ。連」

星野が待っていた。俺も星野に軽く挨拶を返し一緒に学校へ向かった。

しばらくして一つ気が付いたことがある。

星野「、、、」

星野の口数が異様に少ない。何かあったのだろうか?俺は

日比谷「星野今日は静かだな?」

と聞いた。星野は

星野「そ、そうかな?」

少し悲しそうな面持ちをした。そんな表情をされると深堀をしにくくなる。結局二人とも黙ってしまい静かに学校に着いた。

いつもの日常ただ星野の表情が暗い事を除いて。

下校時刻となり俺と星野は一緒に帰った。まだ暗い表情の星野。そして、俺は一つ気が付いた。

日比谷「俺になんか言いたいことがあるのか?」

俺の顔を見る度に星野の表情が暗くなっていることに

星野「な、なんでもないよ、、、」

段々声が小さくなっていく当たりの様だ。俺は星野の服を引っ張り

日比谷「ちょっとついてこい」

とある場所へ連れて行った。


星野「うわぁ。懐かしい」

俺が星野を連れて行った場所は小さいときに一緒に遊んだ公園である。

日比谷「さて」

俺は話始めた。

日比谷「ここでよく二人秘密の話をしていたよな」

俺は近くにあったブランコに乗った。うん、低くなっている。

星野「そう、だね。そんなこともあったね」

少し明るくなった星野

日比谷「じゃあ、久しぶりにお互いの秘密を語ろうぜ」

俺は続けて提案した。

星野「で、でも、、、」

自分勝手かもしれないでも、あの苦しそうな表情を俺は見てられない。

日比谷「お互いの秘密を喋るときのルール。一つ目、喋った秘密は誰にも喋らない」

星野「二つ、、、秘密を聞いても笑ったり怒ったりしないだっけ?」

日比谷「よし、覚えてるな」

俺は笑い、秘密話を始めた。

日比谷「小学校ぐらいだな。星野という女性がいた」

星野「えっ?私の話?」

星野が驚いているが俺は話をつづけた。

日比谷「彼女はな。いじめられてるかのように人と関わらなかった。まぁ、俺も一人図書室で本を読んでたけど。で、ある日。その彼女が身長が小さいのに高いところの本を取ろうとしてたんだよ。そして、案の定本が落ちてきて。俺はそれを守った」

星野が俯いている

日比谷「そんな彼女の顔を見たら半泣きであ、ありがとうって言ってきたんだよ」

星野「うぅ。恥ずかしい」

赤くなる星野そして

星野「秘密話っていうのは私を辱める事なのかな?」

少し切れている星野に俺は笑顔で言った。

日比谷「俺はそんな星野を好きになった」

星野「えっ?」

星野が固まった。

日比谷「意外と話してみると面白い。一緒にいて楽しい。それにかわいいし」

星野「、、、」

湯気が出てきている

日比谷「だからさ。俺と付き合ってくれないか?」

星野「、、、」

もう秘密話ではなくなっているが俺は気にせず言った。

星野「秘密話じゃなくて告白じゃん」

言われてしまったか、、、。

星野「はぁ、ロマンの欠片もない」

星野はやれやれと首を横に振った。

星野「いいよ。付き合おう」

承諾を貰った。そして、

星野「こんな暴露教えてもらったら敬意を示さないとね」

覚悟を決めた。星野の姿がそこにはあった。

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