君の為ならいつでもどこへでも
ニガムシ
君と生きるこの世界
日比谷「あぁ、また失敗だ」
これで一体何回目なんだろうか?でも、俺は諦めない!次こそは、、、。
俺の名前は日比谷 連(ひびや れん)普通の高校生だ。特に目立った特徴もなく。1つ言うなら
星野「おはよー連ー」
可愛い幼馴染がいるくらいだろうか?
星野「でね。アヤがね」
横で笑顔の彼女の名前は星野 雫(ほしの しずく)俺の幼馴染で、、、幼馴染だ。特に話すことがないのが特徴の彼女の事を俺は好んでいるし彼女も俺といて楽しいらしいのだ。今日も彼女は楽しそうに俺に話を聞かせてくれている。
星野「だけどねー^^」
本当に楽しそうに話す。そんな姿を見ていると俺まで楽しくなってくる。
星野「何ニヤニヤしてるの?気持ち悪いなー」
そう言いつつ俺の前を歩いている彼女は俺の方へ向いた。そして、後ろを見ながら横断歩道に入ったところで
プーー!!ドカッ
信号無視をしてきた車と星野がぶつかった。
日比谷「えっ?」
俺は唖然とした。一瞬の事だったが辺りには血の匂いがしハッとした俺は星野の方へ走っていった。
日比谷「おい!星野大丈夫か」
俺は救急車を呼びながら星野に声をかけ続けた。俺の言葉に星野は口をパクパクと開き何かを言おうとしたみたいだが俺には何を言っているのか分からなかった。何度か口を開いた後、俺の頬を血の付いた手で触り、星野はほんの少し嬉しそうに見えた。そして、星野の体から力がなくな、、、、
ピピピピッ!ピピピピッ!
日比谷「ん?んー」
あぁ、朝か、、、。俺はスマホのアラームを止めリビングへと向かった。
母「おはよう。連」
日比谷「おはよう母さん」
俺はまだ眠たい目をこする。
母「連、顔色悪いけど怖い夢でも見たの?」
流石母親だ。家族の体調の変化にいち早く気づいてくる。
日比谷「うん。ちょっとね」
流石に星野が車にはねられた夢を見たなんて言うのは俺も流石に気が引ける。俺は朝食を受け取りながらテレビを見た。
アナウンサー「今日は6月18日 最近熱くなってきました。熱中症には、、、」
俺はささっとパンを食べ学校に行く準備をした。
日比谷「行ってくるよ。母さん」
母「行ってらっしゃい。車に気を付けてね」
そして、俺が扉を開けると
星野「おはよー連ー」
幼馴染が立っていた。俺も軽く挨拶を返し学校に向かった。
星野「でね。アヤがね」
登校中、俺は彼女の話を聞きながら軽い考え事をしていた。今日見た夢はどうにもリアルすぎる。血の匂いも彼女に頬を触れられた感覚も何もかもが、、、まるで実際にあったかのように。
星野「ねぇ?聞いてる?」
前を歩く彼女は俺の方を向き不思議がった。
日比谷「大丈夫ちゃんと聞いてるよ」
星野「そっか。ならいいんだけど。でね、、、」
彼女はこちらを向いたまま話を続けやがて横断歩道に入った。流石に後ろを向いたまま歩くのは危ないので
日比谷「おい。星野ちゃんと前向いて歩かないと、、、」
注意しようとすると自然と俺の体は彼女の手をつかみ俺の方へと一気に引き寄せた。
星野「痛いよ連くん」
キキーー!
星野「えっ?」
日比谷「事故をしたら大変だぞ」
ドーーーン‼
星野の後ろを勢いよく車が過ぎ去り建物に突っ込んだ。
星野「えっ?」
星野は俺の体に抱き着きながら唖然とした。危うく自分がはねられそうになったのだから当然と言えば当然だが、、、。
星野「あ、ありがとう」
まだ、びっくりしているのか星野は俺にお礼を告げ
星野「あっ!ごめん」
俺から離れ赤くなった。
登校経路に戻ったが一向に星野は話す風には見えない。ずっと顔を赤くしたまま俺の後ろを歩いている。
そうこうしている内に学校に着いてしまった。
今日の星野は何故か何というか不幸である。何故かというと、、、
お昼の時間にウインナーをカラスに持っていかれたり。急いでいる人にぶつかってスマホを落とし画面が割れたり。クラスの一人が眠っていたのを先生が見つけチョークを投げたところ星野に当たったり(その後土下座する勢いで謝っていた)と色々なことが起こった。そして、帰宅時
星野「なんで今日こんなに不幸なんだろう」
とバケツの水を被ったため体操服姿になっている星野が肩を落としながら言った。こういう時不幸な人間にはどういった言葉をかけるのが正解だろうか?とりあえず言葉をかけるとしたら、、、
日比谷「まぁ、明日にはいい事があるよ」
俺は彼女の肩に手を置きながら励ましの言葉を贈った。すると、
男「ヒ、ヒヒヒ」
近くを歩いていた男が急に笑い出した。
男「明日にはいい事があるだって?」
その男の目は完全に逝ってしまっている。俺たちは逃げようとしたが星野の足がすくんでしまっている。
男「お前たちに何が分かるんだよ~~‼」
男はナイフを持ち俺の方へ突っ込んできた。しかし、
星野「グフッ!」
ナイフに刺されたのは星野だった。俺はさっきまで足を震わせていた星野が俺の前に出てくるなんて予想していなかった。
男「は、ははは。ざまぁ見やがれ」
男はそのままどこかへ逃げて行った。俺はすぐに倒れた星野の元へ駆け寄った。
日比谷「おい、大丈夫か。星野‼」
大丈夫なわけないのに意味のない質問をしてしまう。それだけ、焦っているのだろうか?
星野「れ、ん無事?」
こんな時にまで俺の心配をする星野
日比谷「俺は無事だよお前のおかげでな!お前の方が無事じゃないだろうが!」
星野「わ、たし?はは」
何故か星野は笑った。そして、
星野「わた、しは、、れんが、、生きて、、いてくれれ、、、ば」
彼女はそこまで言うとあの夢のように俺の顔に触れ力尽き、、、
ピピピピッ!ピピピピッ!
日比谷「駄目だーーーーー!」
朝のアラームが鳴った。俺はそれとほぼ同時に飛び起きた。
今回は確信できる。あれは夢なんかじゃない。
母「連?どうしたの?」
母親が俺の声に駆けつけてくれた。
日比谷「な、なんでもないよ。母さん」
母「でも凄い汗よ?」
確かに凄い量の汗をかいている
日比谷「少し怖い夢を見ただけだよ」
母「そうなの?朝ご飯できてるからね」
そう言い俺の部屋から出て行った。俺も一度呼吸を整えてから部屋を出た。
いつものように制服に着替え、朝食は食べなかった、嫌あんなのを見た後にご飯なんて食べれないだろう。俺は朝食を食べずにテレビをつけた。すると、
アナウンサー「今日は6月18日 最近熱くなってきました。熱中症には、、、」
と同じ時刻同じ放送内容、、、時間が朝に戻っている?
母「連そろそろ行く時間じゃないかしら?」
俺が考えを出した時母親が時間について言ってきた。確かにそろそろ行く時間だ。
俺は学校のカバンを持ち外へ出た。
星野「おはよ。連」
いつものように俺に挨拶してくる星野。
日比谷「あぁ。そうか」
星野「?どうしたの連。なんで泣いてるの?」
俺の頬には温かい涙が流れている。
日比谷「嫌、なんでもない」
俺は涙をぬぐい星野に笑って見せた。
星野「そうなの?まぁ、あまり深堀はしないけどさ」
星野は優しく俺に笑顔を返してくれる。あぁ。
日比谷「守らねえとな」
俺はこんな彼女を守ってやらないとと思った。
星野「なんか言った?」
日比谷「嫌何も」
星野「連そればっかじゃん」
俺と星野は笑いながら学校へ向かった。
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