第23話 壊せ!さもなくば滅びよ
作業場にはもう三人は先に来ていた。
すぐにボクらへ祭山田さんからお言葉があった。
「そろそろ君たちもやってみる?」
待ってましたー。
「や、やってみたいです」
ボクら三人の声は揃わなくてグダグダになった。
自信なんてなかった。自信とは自分を信じることです。
一つだけ言えることは、見よう見まねでできるものなんてそもそも社会科見学なんていらないのだ。
── 壊せ! さもなくば滅びよ
社長のアバターの叫びがこだました。演出じみてたけどその言葉とともに祭山田さんはボクらにポジションを譲った。
日本は根回し社会だから、猿元さんはもう先に高いところで手すりに体を預けて訳知り顔でこちらを見物している。
三人で三位一体となってことにあたることにした。
それぞれの配置については性格に合わせた助言を祭山田さんから受けた。ボクはみんなの血液型を知らなかったけど、祭山田さんは全て把握していた。彼女はテーマパークのキャストさんの休憩のときみたいに上半身だけ着ぐるみを脱いでいた。結果的にボクらは出席番号順みたいに並んだ。
ベルトコンベアの最上流を見る。相変わらず暗黒ってる。
いったいボクらの最初の“対象”はなんなんだ……。AIを出し抜くような工場だからもちろん予測はつかない。
なんか急にBreak awayの状況になったみたいな緊張がおそった。
これはチャンスなはずだった。
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