第5話 ズタボロ

約束の日曜日。結局昨日友達とは合流したものの、ブラジャーを見せることはなかった。

クリスマスツリーが、その後言った。

「俺の目の前で渡せ」

サトシはミカをクリスマスツリーがある広場ヘ呼んだ。クリスマスツリーはにやけ、スターはガッカリしていた。

そしてサトシは緊張で、体がガクガク震えていた。寒さよりもずっと震えており、今は体の8割が緊張で構成されていた。

クリスマスツリーがスターを励ました。

「いいじゃないかwww。恋は自分でやるものだwww。人に押し付けられてするものじゃないwww。だからwww、俺らが強要する資格もないわけだwwwwwwww」

「笑いすぎて説得力がない………」

スターがツッコミを入れつつも、その場の空気は和まない。遠くにミカが見えた。サトシがつばを飲み込んだ。

「(フラれたらフラれたでもういいや)」

「どうしたの?サトシ」

ミカが話しかけてきた。サトシはいきなり話しかけてきたので赤面した。

「え⁉︎ああミカ。あ、あの、渡したいものが……」

「何〜?」

サトシはバッグの中を覗いた。そして後悔した。しかし、今更帰れと言うわけにはいかない。

「えっと、えっとねー」

「ねぇ何々?」

サトシはクリスマスツリーとスターを見た。スターは睨み、ツリーはニヤリ。とても正気の空間じゃない!

「ねぇ、早く!くれないの??????」

「えっとね、いや、その、実は……これ……」

サトシはを渡した。ミカはワクワクしながらバッグを開けた。

「え……………………………ああ、うん。ありがと」

流石に引かれたか?サトシの心には後悔以外何も残っていなかった。

「あのね、それ……実は」

「ん?何……………?」

「実は…………………………






















……そこの奴の提案なんだ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

サトシはクリスマスツリーを指差した。

「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ??????俺に責任取らせるなァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」

クリスマスツリーが怒鳴った。

「きゃっ!何々⁉︎」

「ヤベェッッッ、こうなったらしゃあねぇ!俺はクリスマスツリー25番!サトシに下着を勧めたのも、ここで渡せと勧めたのも、全部俺だ!!!!!!」

クリスマスツリーはミカに早口で説得しようとしたが、いきなりすぎる展開で、常人に理解してもらえるわけがない。

「あの、帰っていい?……ですか?」

ミカがサトシに聞いた。

「へっっっっっっ?ああどうぞ…………………………あの、なんかごめんね……………」

「いや、ぜんっぜん大丈夫!心配しないで⁉︎…………」

ミカは帰っていった。少し急ぎ足な気もするが、サトシにそんなこと伝えたら、精神的に崩壊するに違いない。

「おいバカ!!!!!!!!!!!!」

クリスマスツリーがリボンで殴った。

「痛っ!………あれ?全然痛くない…?」

「そりゃリボンだからな!!!!!!俺は人間にはできるだけバレずに過ごしたいのに!テメェがバラしちゃうから、ミカが引いちゃったじゃねぇか!クソッ」

「ごめん……で、でも、クリスマスツリーがここで渡せと言ったんじゃん!!!!!!」

「ハァ?反論すんのか?俺はお前に色々アドバイスしてやったじゃねぇか!恩を仇で返すのか?」

「スターから聞いた!俺とミカを引き裂こうとしt」

スターが軽蔑した目でサトシを睨んだ。

「………やっぱなんでもない。ああ、もうおしまいだ〜〜〜」

「おしまいだな!このまま海の藻屑もくずとなるがいい!ベーリング海へ海水浴にでも行ってくれば?」

新しい煽り方をされたサトシは、広場を出た。

「………君も責任があるんじゃないかな?クリスマスツリー?」

「………黙れ。俺は今日からメリークルシミマスになるから」

「(何言ってんだこの木)……僕は恋のスタートとなるから!スターだけに」

「(何言ってんだこの星)」

意外と仲良しかもしれないが、3人?の関係はズタボロとなってしまった。

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