第3話 スター

「じゃあ最初に、何かプレゼントしてあげてみたらどうだ?」

クリスマスツリーがサトシに言った。

「なるほど…。例えば何を?」

「そうだなぁ…。下着とかプレゼントしたら?やっぱ肌には密着してるから、もらうだけで親近感が湧くもんじゃねぇかな(変態だと思われるだけだろwwwww)」

「なるほどね!ミカは多分……いや、どんくらいなんだろう」

「……もしかして、お前ミカとあんま話したことない??????」

「うん…………」

「全く。好きな人のバストくらい知っとけよ!普通はみんな知ってるぞ!(嘘で〜〜〜〜〜す)」

「えぇそうなの⁉︎」

「そうだよ。そうだ、本人に聞いてみろよ!……いやでも、それだと遅くなるかもなぁ。…やっぱ今日下着買っちゃって、明日これでいいかどうか本人に聞いてこい」

「明日日曜だけど……」

「プライベートで会うからいいんだよ。わかったな?お前待ち合わせしてんだろ?あのデパートに行くため。ついでに買ってこい」

「ミライ屋はデパートじゃないけど?」

「え??????そこのデカいデパートってデパートじゃなかったん??????」

「うん。ミライ屋はショッピングモールだから」

「…………まぁデパートにあるものは、モールにもあんだろう。じゃあ買ってこいよ!」

「うん。ありがとう」

「お前誰と話してんの?」

背後から友達がやってきた。

「クリスマスツリーの目の前で何y」

「行きましょう!ミライ屋に!」

「え⁉︎」

サトシは友達を置いて、ミライ屋へ向かっていった。友達もサトシを追いかけて走っていった。

その様子を見て、怪しく笑うクリスマスツリー。しかし、反論する声が聞こえた。

「ねぇ、流石に下着はまずいでしょwww」

「え?いや、別に手伝ってわけじゃないし。ってかお前誰だよ!!!!!!」

いきなり見知らぬ声に反論されて、キレたクリスマスツリーは、周りをキョロキョロと見た。しかし、それらしき人は誰もいない。

「いや、上だよ上wwwww」

「上??????」

彼は上を向いた。なんと、クリスマスツリーのてっぺんの星に、一つ目がついていたのだ!

「ここだよ〜wwwww。僕はスター。人の恋愛を助けるために、魂が宿ったんだ〜」

「え?お前いつからいたの?」

「ずっと君の上に鎮座ちんざしてたんだけどねぇ〜。君、サトシくんに嘘教えたでしょ〜」

「教えたなぁ。まぁ俺はアイツらを撲滅するために生まれてきたもんだから、これで良いんだよ!」

「フフ、君もなかなかだねぇ。ここは1つ、勝負してみない?サトシくんがフラれたら君の勝ち。サトシくんがミカちゃんと付き合えたら、僕の勝ち。どう?」

「面白い!俺はサトシとお前よりも早く、友達になったからな!」

「それ関係ないでしょwww。ってか、師匠と弟子の関係じゃなかったの?」

「そうだっけ?まぁいいや、非リア充の力を思い知るがいい!!!!!!」

「いや、僕も非リア充だし」

「え?ああ、そう」

一気に彼の熱意が冷めてしまった。スターが焦った。

「うーん、まぁいいじゃん。とにかく、ここは女心がわかる僕の方が有利だね!」

「いや、男心のわかる俺の方が有利!」

……なかなか面倒そうな戦いの、始まりである。そして、肝心のサトシは、このことを知らないと考えると、怖いな。いろんな意味で。

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