漂流病棟は何が良くて何が悪かったのか?
ここからは漂流病棟という作品について掘り下げた内容になります。
<サバイバル×パニックものとして>
そもそも「漂流系」には以前にも「漂流教室」「漂流ネットカフェ」という有名作がすでに存在します。
その二番煎じとしないためには差別化が必要になります。
そこで、設定を変えました。スケールを大きくしたんです。
今までは小さな建物が漂流する、つまり小型ボートが漂流しているイメージですが、今回は街ごと漂流、つまり豪華客船が漂流しているイメージです。
スケールが大きいので、融通が効きます。例えば今まで気づかなかった建物があってもいいし、今まで隠れていた人物が突然出てくることもできます。このようにスケールの大きなシナリオを展開することができます。
一方で、大きくなればなるほどサバイバル感は減ります。食べ物もそこそこあるし、電気も通っているし、人もたくさんいる。その点はメリットでもありデメリットでもありました。
<パニック×医療ものとして>
今までも実は限界パニック(サバイバル)ものはいくつもあります。
・ザ・レイン(雨に触れると死ぬ世界)
・ビトウィーン(高校生が、自分たちしかいない街に取り残される)
・自殺島
・ドラゴンヘッド
・音を出すと獣に殺される(題名がどうしても思い出せません)
・エデンの檻
・マザーグール
・サバイバル
このまえテレビでやっていたペンディングトレインはかなり似たコンセプトでしたね笑
ただこの中で、医療的なものは常にさらっと流されていたのです。
そこで、web漫画初の医療ものとサバイバル×パニックものとして融合させてみては、というコンセプトがありました。
この融合はある意味斬新だったと思います。
一方で敢えて言えば、振り返ってみれば、ではありますが、中途半端になってしまった感も否めません。
医療ものを好む人は、バシバシ手術して、ドシドシ病気や怪我がおきて、それをビシっとヒーローが治していく、というのが正直望むところなのかもしれません。そこは敢えて強くしないであくまでサバイバル×パニックに重点を置こう、というコンセプト通りにやれてはいたのですが、敢えて言えばそこがデメリットにもなっていた可能性もあります。
ただこれは対象者、公開媒体、時代、その他多数の要因が絡んでいて、もしかしたら十年前、十年後だったらヒットしたかもしれませんが、ここから先はもうやってみるしかない領域なのかなと思いました。
Q:漂流病棟の水編(結局ここだけで終わりましたが)のクライマックスはまだ来る前に打ち切りが決まりました。それを読んでもらえたらそこからまた読者が増えたかもしれないのですが、それは仕方なかったんでしょうか?
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