漂流病棟、打ち切り報告!

 やっと報告できる日が来ました。

 とは言っても少し匂わせてはいましたし、この「打ち切り」自体良い報告ではないのですが、2024/10/30をもってプレミア版でない方も、次が最終回、ということがわかるようになったので、このことを書いてもよいと判断しました。


 今回はどういう経緯で打ち切りになったのか、どのように伝えられるのか? 理由はなんなのか、その後の経過はどんなふうなのか、あくまで私一個人に限ったケースですが、ここに記したいと思います。


 そもそも打ち切りについては最初の段階で説明はありました。


「正式に打ち切りが決まったら、半年くらいの期間を経て、終わりにしてもらいます」


 これがどの頻度でどのタイミングで言われるのか、当初は全く予想もつきませんでした。


「半年もあれば、結構長い話が書けるんじゃ?」


 と思っていた私は痛い目に遭うことになります。

 

<最初からそこまで人気はなかった>

 いきなりかよ、と思われるかもしれませんが、これには理由があります。そもそもGANMA!って、無料で読めるんです、広告さえみれば。それは特に未成年には非常に魅力的で、お金がなくても全ての作品を原則見ることができるんです。なので対象者が10代〜20代がメインになります。


 また、アプリという媒体なので、原則スマホになります。なのでじっくり読むというより、電車内で、待ち時間など暇になった時にちらっと読むものです。

 なので「山田くんとLv999の恋をする」のようにサクッと気軽に読めるものが人気があるだろう、ということはわかっていました。

 そして隔週という更新からも、できれば一話ごとに読み切れるものの方が、大きなテーマの作品よりは好まれます。二週間もあると、「あれ、今この人たち何しようとしてるんだっけ?」となってしまいますので。


 なので、最初からある意味チャレンジングな企画ではあったのです。

 ランキングは高くはありませんでしたが、もし気に入ってくれた人にはしっかりと継続的に読んでもらえる作品には仕上げようと、細かいディテールまでしっかりと作り込んだつもりではいました。


 ちょうど連載が始まってから1年くらいの5月でしょうか、突然連絡がありました。


「今後について少しお話ししたいことがあります」


 通常は、こちらから連絡がない限りは、打ち合わせの時間を取りたい、と言われることは一度もありませんでした。その時点で何か嫌な予感はしました。

 しかしその頃は新しく変わる編集者の方と2ndシーズンの構想を絶賛練り中でして、まさにそれができあがろうとしていたときだったので、「まさかね」という10%未満の疑い具合でした。


 しかし内容は予感の通りでした。


「新たな作品を採用するためには、どうしてもなんらかの作品を終わらせなければなりません」


 まさにその通りだと思いました。

 電子媒体とは気軽に開始もできますが、それは気軽に終わることができるということを意味します。

 ここまでやらせてもらっただけでも感謝したいと思いました。


 こうして突如収束に向けて舵を取ることになりました。

 半年もあれば、と高を括っていた私ですが、この半年とは「通達があってから」半年ということです。その時点ですでにシナリオは3、4個進んでいるので、2ヶ月分くらいは出来上がってしまっているのです。

 その状態で、今の問題点を解決させ、さらに物語全体としても締める。これはなかなかハードルの高い作業でした。


 少し愕然とすることもありましたが、ここも最後の見せ場と思い「どうやってこの短期間で終わらせられるか、それも試されているのか!」と自らを奮い立たせ、なんとか収束させました。


Q:打ち切りのことは公表してよいのでしょうか?


 これを編集者の方に聞くと「特に決まりはないですが、なんとなく悟ってください」とのこと。

 私なりに色々考え、もう終わり、と公表することによって、良いこともあれば悪いこともあると思いました。そのため、このような「少し匂わす」くらいにとどめておきました。


 でも作り手としてはそれがばれないように、つまり取り繕ったシナリオと思われないように頑張ったので、終盤で頂いたコメントの中で「まだこれからこうなるんだよね〜」というふうに長い話が続くと思ってくださった時は、少し嬉しくも思いました。もう終わるということはだいぶ前に決まっていたのですが。


 36話が最終回なのですが、35話の時点でも多分まだ読者の方はまさか次で終わるとは思わなかったかもしれませんが、作画の佐倉崎先生が「あと一回頑張ります!」とあとがきで書いてくださったことによって次が最終回ということ判明しました😄笑


※私も実は35話の時点で「次回:最終回」と表示されると思っていたのですが、なぜか「次回:Karte 36」という表示だったため、最終回ということは明示はされなかったようです。佐倉崎先生もおそらく「次回:最終回」と表示されると思っていたのであのようなあとがきを描かれたのだと思います。


 35話のコメントのところで「もう終わっちゃうの?」というものを頂いた時、とても嬉しく思いました。

 あの時点でコメントを下さる方はおそらく最初からずっと読んでくださった方ですし、いつもコメントされない方の名前もあり、コメントくださらなくても読んでくれた方がいらっしゃったんだな、と実感することができました。


 こうして2024/10/30、プレミアム版は最終回を読むことができて、通常版は二週間後公開になりました。


 その後、編集者の方と振り返りをしよう、ということになりました。

 今回の漂流病棟について、次に活かすためにも、何が良くて、何が改善できたのか、その機会を設けようという話になりました。

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