第8話
これは私が思いの
毎晩22時、下校して夕食や入浴、宿題や雑事を済ませたあとで写真フォルダを立ち上げてサユに会うのが日課となっていた。話の大半は私がその日にあった出来事の報告で、他には世間のニュースや話題に触れる。彼女は私の長話を聞いては
土曜日でも、日曜日でも、夏休みに入ってもその習慣は変わらなかった。22時になっても表示させないと理由を問い詰めて非難してきた。5分、10分遅れても、なんで? どうして? と責めてきた。彼女は時計も確認できないが、ときおり私に時刻を尋ねてから1秒、2秒、3秒と頭の中で時を刻み続けていた。それは
次第に、私はサユとの交流が
サユの態度は徐々に遠慮がなくなり、増長し、
そんなに嫌なら会わなければいいのに。わざわざ毎晩、不気味な
恐らくサユは自分の変化に気づいていない。非現実的で不条理な環境に置かれ、頼る者も
サユの不幸は私だけのせいではない。そもそも彼女の人生を奪ったのは私ではなく、あの雨の日に彼女の自転車を
でも私は言い返すことができなかった。それを指摘したところで事態は何も変わらない。認識を正したところでなんの解決にもならない。サユがさらに理屈をこねて泣き
私にできることは、ただ謝罪して彼女の怒りを
そしてきのう、ついに我慢の限界がきてしまった。
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