第29話 幸せな時間
「やだぁ、まだ一緒にいたい」
「もう、父さん帰ってきちゃうし外も暗くなってきたから。また明日一緒にいよう、ね?」
「うぅ.........」
断られるのは分かってはいたけれど、心から幸人とまだ一緒にいたい、愛したい、愛されたいという思いが止めどなく溢れて止まらない。
しているときの幸人は優しかったし、格好良かった。とっても気持ちが良かったしずっと繋がっていたいなって思えてしまう程だった。暖かくて、幸人が入ってくる度に私の頭がチカチカしておかしくなってしまう程だった。
アフタートークで少しだけ恥ずかしかったけれど、それもまたいい思い出。
だって、今までずっと幸人とこういう事をしたいと思って我慢してきたのだから仕方ないもん。
強いて言うなら幸人が格好良すぎるのが悪いかな?
「じゃあ、また夜に電話しようね?」
「うん、わかったよ」
「絶対だからね?」
「うん」
頭では早く帰らなきゃいけないなと理解はしているんだけれど、まだ幸人とどうしても一緒にいたくなってしまう。
そんな私の事を見て、苦笑した幸人はそっと近づいて私に軽くキスをしてくれる。
「今日はダメだけれど、今週末にお泊りできるか父さんに聞いてみるから。我慢できる?」
「えっ!?ホントに?」
「うん」
「分かった!!我慢する」
私が物凄く喜んでいるのを見て幸人も微笑んだ後、さっきより少しだけ深いキスをして家に帰ることにした。
あぁ.........幸せすぎる。
家に帰って早く幸人と電話したいな。
........家に帰ると言えば、お姉ちゃんはどんな感じになってるだろうなぁ。それとなく幸人に告白された場所を伝えたし、あの場にいたことは理解しているけれど。
私と幸人の愛情たっぷりのキスを見てどんな醜い顔してたんだろ?
クシャクシャに泣いてたのかな?それとも、物凄く怒ってたとか?考えてみるだけで思わず笑ってしまいそうになる。
私と幸人の雰囲気から絶対にスルって事は理解できてただろうし、かなり精神的に来てただろうなぁー。
もしかしたら、あの大学生さんの所で慰められちゃっているのかもしれない。
可哀想なお姉ちゃん。
でも仕方ないよ。だってお姉ちゃんが悪いんだもん。幸人をあんなに苦しめたんだからそれ相応の罰を受けてもらわないと。
だけれど、お姉ちゃんも流石に苦しそうだからもう楽にしてあげようかなって思うの。
それにこれからはお姉ちゃんのような人間とも思えないようなゴミにかける時間は勿体ないし、そんな時間があるなら幸人との幸せな時間を過ごしていたいから。
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