第27話 決心

 雪奈へと告白する決心がつきつつある今日この頃。


 今日も今日とて俺は、雪奈と一緒に下校するために待ち合わせ場所へと向かうが................


「ゆ、幸人。また明日。それと…本当にご、ごめんなさい。すみませんでした」

「..............」


 幸奈が頭を下げている横を通り過ぎて、雪奈が待っているだろう場所へと通り過ぎる。


 このやり取りもかれこれ数週間位しているだろうか?一時期、縋りつくように謝ってきたことがあったけれど今ではそれも落ち着いている。


 ..............もう、俺の事なんか忘れてあの男の人とそのまま仲良く付き合って結婚すればいいのにとそう思ってしまうし、幸奈にとってもそれがいいと思うんだけれどなぁ。

 

 別れ際に何故浮気したのかも聞いて、あいつがどういう経緯で浮気をしたのかも理解はしている。


 だが、全く好意がない人に対して手を繋いだりあれほど楽しそうにするなんてことはないと思うのであちらはあちらでそのまま恋人になればいいと思う。


 いつまでもずっと謝られ続けられると迷惑だし、付き合ってからも謝られ続けられると面倒くさいことになりそうだからね。


 その事は追追雪奈と一緒に考えていけばいいのでその前に俺は、雪奈と付き合う気持ちをしっかりと固めていつ告白するのかを考えなきゃいけないよな。


 いつまでもこのままズルズルと引きずるのは良くないし、昨日も帰り際に頬にキスをされて


「私、ずっと待ってるからね?」


 なんて言われてしまったし。


 そうだな..........もうそろそろ学期末のテストがあるからそれが終わったら、その日の夜に思いを伝えることにしよう。


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「じゃあね幸人。また、夜に、ね?」

「うん。またね」


 手を振ると笑顔で手を振り返してくれる幸人を見送ってから私も帰路に着くことにする。


 あぁ..........私、凄く幸せだな。


 幸人は私の愛情表現にしっかりと応えてくれるし、あのデートの日から幸人もすこしずつだけれど私に対して直接的ではないにしても間接的に愛情表現してくれている。


 それでも十分満足なんだけれど、私も欲深くなっちゃったのかな?


 頬にキスをすること以上に幸人ともっと混ざり合って溶けあいたいって思っちゃう。


 お姉ちゃんとキスなんて沢山しているはずなのに未だに私が頬にキスをすると恥ずかし気にしてくれる幸人に、激しいキスをしたらどんな反応をするのかを考えるだけでも頭がおかしくなってしまうくらいには気持ちが良くなってしまう。


「幸人、大好き」


 幸人はきっともうすぐ私に告白をしてくれるんじゃないかなって思う。


 幸人の事だからきっと今の曖昧な関係を好とはしないだろうから。


 もしかしたら、私との関係を切る.........なんてことは考えてしまったが、幸人も私の事を少なからず好いてくれていると思っているからきっと大丈夫。


「愛してるよ、幸人」


 本当にお姉ちゃんが幸人の事を手放してくれてよかった。


 当然、赦すことなんてしないけれど幸人を手放してくれたことだけは感謝したいなって思う。


 赦しはしないし、今以上に苦しめるつもりでいるし居場所なんてないくらいに追い詰めるけれど。


 


 


 


 


 


 


 


 

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