第4話 ご霊界へ帰った母
心臓を掴み出てきた彼と私は関わるようになり、様々な事を教えてもらった。
その頃の私はこちらの現実の世界で関わる人達のご先祖様をはじめ、その方の悪い霊体等を察知できるようになっていた。
勿論、ご先祖様方々と会話もかなりできるまでに。
だが、何故か私の生まれ育った家系のご先祖様は全く出ては来ない。それどころか、気配すらもなくだった。
母方のご先祖様とは時折話すものの、何故、父方は全くなのかが、私にはわからずだった。
そうしているうちに、元々持病を持っていた母の病が一気に悪化し始める。
母は勿論、私も神仏様として出ていた彼らにお願いをしたり。
私と関わる霊体の彼に母の容態をお願いしていたのだ。
しかし、一向に良くなる兆しもなく、最期はいきなりの余命を家族は医師より宣告され、母はご霊界へと帰った。
帰る前に、母は
「救けてくれる神仏様はもう、どこにもいない。」
そう、言っていた。
私は、医師からの余命宣告より、頭の中は、因縁や悪霊に連れて行かれはしないかと不安だった。
私の身体も、母の闘病のお世話などでかなり疲労し、フラフラだった。
その時に、はっきりとした声が私には聴こえたのだ。
明らかに今まで私に関わってきたような霊体とはまるで違った感覚だった。
それは、真の神様だったに違いはなかったのだ。
「必ず救ける。 だから、あなたも頑張りなさい。」
そう、言われたのだ。
私は「救けるとは?どちらをさすのか?」と考えた。
・延命なのか。
・因縁、悪霊から守り、帰るべき所へ連れて行ってくれるのか。
どちらか1つだろうと。
そして、母は悪い者からは守られ、ちゃんとご霊界に帰れた。
母の他界後、私は初めて自分のこの能力に感謝した。
それは、ご霊界の母と話ができたからだ。他愛のない会話は勿論、仏壇に供える花や、食物などは、母に何が良いかと、尋ねながら用意したりだった。
それは、まるで母が他界したという感覚より、何処か旅行にでもいき、電話で話をしているかのようだった。
「ただいま。」
「おかえり、遅かったなぁ」
など、いつもの会話だった。
私達は、互いに「救われたなぁ。」と二人で泣いたのを覚えている。
そして、母の他界と引き換えに、私は全てを知る事になるのだ。
そう、全ては嘘であり、悪だったと。
善だとし、出て来ていた者は、悪霊だった。
因縁からまともになったと疑いもしなかった彼すらも因縁のまま、悪霊だと知った。
そればかりか、母の命を取りに病を悪化させていたのも、全て彼らだったと。。。
私の心は、落胆しかなかった。
私の生まれたこの家系の恐ろしさと、キツさを感じた。
だが、その反面、どうしても信じられなかった。あの彼が芯からの悪霊だとは。
私にはどうしても信じられなかったのだ。
あの彼と関わった時の、彼からのあの暖かさ、人柄などからしても、どうしても私には悪だとは思えなかったのだ。
あの悪霊達は母の他界と同時に何処に隠れたのか、一切姿を現さなかった。
それは気配すらも、何もかも消え去ったかのようだった。。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。