第22話 そんなに期待されても困るんですが。

 

 

 それにしても出された課題の回答とはいえ、龍脈の核に容赦なく攻撃するという私の発言に聖龍イザミン至上主義ファーストなヴェンおじがよく怒らなかったなぁと思って聞いてみると、


「個の感情と使命の遂行は別物ですからな。私情に流されてはかなめを見失う。それは愚か者のする事です」


 だそうで。目的を達成する手段としては妥当な判断だ、ということらしい。さすがにそこはそう竜の代表格だけあって冷静なんだな、とちょっと感心。


 それと、私の作戦は守護四天王(勝手に命名しました)と戦うことしか考えておらず、その前段階に待ち構えているであろう大勢の眷属の存在を忘れている時点で穴だらけだから、そもそも怒るまでもないんだってさ。確かにスコーンと忘れてたわ……。


 だったら不合格だよねえと思うけど、ここで求められたのは内容の良し悪しよりも、カミサマに反抗してでもやり切るんだという根性が本当にあるかの確認にあったようで。


 それぞれの竜種全体への責任と未来を背負う彼ら彼女らにとってはそりゃ譲れないよね、そこは。


 私がコトの重大さに改めて気合いを入れ直したところで会議は終了。


 基礎固めはもう終わっているので、私の強化についてはひとまず一区切り。近場にある龍脈の修正を行いながら実践経験を磨き、徐々に範囲を拡大していくという方針が定められました。


 ……で、前世の会議ならここでお開き、通常業務に戻るところですが。


 泉の畔に置かれた巨大な丸テーブルの上に広がるのは、特大ジョッキのハイボール、コケドリの一羽丸ごと唐揚げ、骨付きオーク肉のスパイシーグリル、大量の塩キャベツ。紅茶、お茶菓子、パフェ。黒烏龍茶、エビチリ、青椒肉絲チンジャオロース、天津飯。ほうじ茶、塩昆布、栗入り白玉ぜんざい。


 そして、引き続き座ったまんまな四天王の皆様。もうお分かりですね?



 会議終了後恒例のお食事タイム、開始です。

 

 

 

 

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