第21話 あくまでも仮定の話ですよ?

 

 

 会議といっても大したもんじゃなく、今後の予定を確定させていく作業、という感じ。


 イザミンの解放を最終目標に、私の強化をどこまでやって、どのタイミングで外へ出ていくかという判断をするのに集まってもらったというほうがむしろメインかも。


 ここにいる人たちは、上空担当のヴェンおじ以外は普段から泉周辺に居るっちゃいるんだけどね。


 そのヴェンおじも守護のお役目をナンバーツーに押し付け……もとい任せて、私の育成担当みたいになってるし。 ……じゃあ集まんなくてもいいのか?


 最終的な判断の目安として出された課題は、そう竜・すい竜・土竜どりゅう・魚竜の代表格でもある皆様方に、私がそれぞれの得意分野を効果的に封じながら倒す方法を披露プレゼンして、それが本当に有効かどうかを判定してもらうというもの。


 取っかかりは全員同じ。それぞれが守護している対象である龍脈の核である聖龍イザミンを


 これは龍脈の泉ごと吹っ飛ばそうとすれば、向こうが出て来るしかなくなるから。ヴェンおじ辺りをおびき出せればそれで良し。


 方法は……高圧縮したエネルギー体にミサイルみたいな仕掛けを組み込んで直接打ち込む。目標へ誘導してもいいし、数押しで大量にブン投げる(イメージで撃つ)のもありか。


 迎撃しようとして向かってきたヴェンおじを、レーザーみたいなエネルギー波で薙ぎ払う。どデカイ剣を振り回すようなもんね。


 この薙ぎ払いのついでに龍脈の泉周辺の森をぶった斬る。さっきのミサイルもどきも同時に使い、森の守護者であるアンネイサスの居場所をなくす。


 結界みたいなもので防がれたとしても気にしない。どうやったって全部は防げないんだから、少しづつ削っていけば良いんである。


 その間攻撃されたらどうするか? 自爆覚悟で完全無視です。どのみち中途半端な防御なんてしてもムダ。相手が悪すぎるんで。


 森を丸裸、もしくは焼き尽くしたら龍脈の泉への攻撃を集中させる。じっとしていると狙われるから移動しっぱなしで。


 防御に専念させられていれば釘付けにできているって事だから攻撃側を狙い、そうでなければ火力が足りないんだと判断してミサイルもどきを増やしていく。


 地面へエネルギーの杭を打ち込んで土竜のタウペデ坊の身動きを封じ、守り切れない範囲の水路を消し飛ばして魚竜のオキナウじいの行動範囲を狭める。


 こっちには経験なんて無いんだから、物量でゴリ押ししかない。


 ちまちまガードを削っていって各個撃破、それが出来ないか全員で向かってきたらもう後はない。ついに奥の手の登場です。


 特大のエネルギー体を爆発系の魔法でコーティング、圧縮したものをあらかじめ用意しておきます。それを亜空間から取り出して、魔法発動で爆発の威力をエネルギー体の中心へ向かって集中させると……。



 \\\ドカーーーーーーン!!!///



 純粋なエネルギーが行き場を失って大爆発。泉もろとも運が良ければ倒せます。誰も私が生きてなくちゃいけないなんて言ってないからね?


 これを淀みなくスラスラ説明したら、マジか……って顔をされながらも合格が取れました。ムチャクチャでヤケクソだけど、何が何でもやってやらぁって覚悟が決まってるからヨシ! だって。


 そんなの実行できるワケないだろうって? 残念ながら実現可能な手段しか出してません。向こうからもお墨付きなんだなこれが。



 もちろん、あくまでも仮定の話ですよ? いや、ホントですって。

 

 

 

 

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